リテールクリニックと消費者の医療ニーズ

ConsumerNeeds

今月初め、ウェルマートがリテールクリニックの本格的展開に乗り出すことを発表した。ウォルマートは全米各地の有力医療機関と提携し、共同ブランド(Co-Brand)方式で各ウォルマート・ショッピングセンター内にリテールクリニックを「出店」する。アトランタとダラスを皮切りとして、2010年までに全米400店を出店する予定。同時に、これらのリテールクリニック全店にEHRを導入し、ペーパーワークをなくし、どこからでも患者データにアクセスできるようにする計画である。 続きを読む

医療機関のソーシャル・メディア対応

PR2.0

米国ボストンのべス・イスラエル・ディーコネス医療センターといえば、世界でもトップレベルの医療機関として広く知られている。この医療センターのプレジデントにしてCEOであるポール・レビー氏は、医療ブロガーとしても著名な存在で、また医療機関にWeb2.0を導入することに熱心な医療者としても知られている。

ポール・レビー氏はこれまで院内Wikiの導入など、病院経営にWeb2.0の発想や技術を積極的に取り入れる実績を持つのだが、べス・イスラエル・ディーコネス医療センターがどの程度、「2.0」で言われるところの「ソーシャルメディア」に対応できているかを自己評価し、ブログで公開している。その評価リストは下記のとおり。 続きを読む

新しい闘病者像: 「起業する闘病者」達

SmartMedicalConsumer

一昨日(2月10日)の日経朝刊に、「乳がん患者、起業に動く。米国、闘病の経験、医療に生かせ」との記事が掲載されていた。

闘病生活の悩みから得たアイデアをきっかけに起業する乳がん患者の姿が米国で注目を集めている。「医療費を把握しやすいように」と開発したシステムや、着心地を改善した医療用衣類は「経験者ならでは」の工夫が施され好評だ。罹患率は日本の3倍以上の8人に1人。胸中は「不安を共有する別の患者に役立ちたい」という思いがにじむ。

(日経,08年2月10日) 続きを読む

医療の「不足と過剰」についての考察

binbou

「医療崩壊」という言葉がブーム的な様相を呈し始めたのは、たしか一昨年あたりからだろうか。以後、医師ブログなどを中心として様々に論じられてきたのであるが、最近は「医師不足」をこの「崩壊」の直接的原因として取り上げる論調が多いように感じる。たとえば「貧乏人は医者にかかるな!–医師不足が招く医療崩壊–」(永田宏著、集英社新書)も、その過度に扇情的な書名は別として、それらに連なる一冊と言えるだろう。

「しかし、あと数年もしないうちに、われわれは厳しい現実に直面しなければならなくなる。医師不足は産科と小児科に限った話ではない。地方の病院に限った話でもない。ほとんどあらゆる科目において、すでに医師不足が限界にまで達しつつある。団塊の世代が後期高齢期(75歳以上)を迎える2025年までには、外科をはじめとする 続きを読む

TOBYOアルファ版、もうすぐ公開

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ようやく、TOBYO(闘病)アルファ版がほとんど出来上がった。もうすぐ、いわゆる「ステルス・モード」で静かに公開する予定。スタッフの中には「テープカットを!」との声もあるが、まだアルファ版なので大騒ぎする段階ではないだろう。当面はバグフィックス作業が続く。

たしかに長かった。当初計画では一年前に出来上がっていたはずなのだが、しかし、従来の日本の医療ウェブサービスとはまったく違う新しいものを目指して来たのだから、これは致し方ないことだとも思う。また予想外に時間がかかったせいで、かえってTOBYOの提供サービスについて考え方が深まった部分もある。 続きを読む