今年も今日が最後となった。TOBYOプロジェクトの一年と、dimensionsをめぐるこれまでの軌跡を振り返ってみよう。
今年は、まず年初からdimensionsの新規コンテンツとなる「アナリシス」の開発に着手した。dimensionsは2010年から開発を開始し、翌2011年に、拡張検索エンジン「X-サーチ」と患者ブログ・トラッキング・ツール「ディスティラー」からなる患者体験リスニング・システムとしてデビューした。当時の位置づけは、ソーシャル・リスニング・システムということであり、これは当時マーケティング・リサーチ界隈で台頭しつつあった「ソーシャル・リスニング」という新しいコンセプトを当てはめたものであった。
これら開発の背景を整理すると、TOBYOプロジェクトの立ち上げにさかのぼるが、そもそもゼロ年代半ば頃から、ネット上に大量に公開され始めた患者体験ドキュメントをどのように見るかといういう問題に行き着く。私達はそれら患者体験ドキュメントを、とりあえずまず「闘病記」という言葉で呼んだわけだが、同時に、これら大量のドキュメント群を「闘病記」という狭い概念で捉えてしまうことに違和感を持っていた。