患者・消費者の医療ニーズを考えてみると、それらは決して一様ではなく、一人ひとり個別で、しかも特殊なニーズであるはずだ。患者の性・年齢などデモグラフィック属性のみならず、患者のライフスタイルや健康意識などによっても、求められる医療は千差万別であるからだ。ところが医療提供側は、そのような多様な消費者側のニーズを無視してしまいがちである。つまり、建前として「患者の選択」を重視するようになってきたとはいえ、現実には消費者が求める医療と、医療界が提供する医療との間にはギャップが存在し、ミスマッチが起こっている。
別の言い方をすれば、消費者の医療ニーズはもともとロングテール状に存在するにもかかわらず、医療機関側はヘッド部分にのみ対応しようとしている。だが、もしも一人ひとりの医療者を可視化できるとすれば、医療提供側にもロングテールが形成されることになり、両者のテール部分をマッチングさせるサービスが登場する余地が出てくる。それはある特殊な消費者の医療ニーズに対し、それを充たす特別な技能や経歴を有する医師を紹介するようなサービスである。 続きを読む