天候不順のせいかあまり体調が良くない。一昨日、Yahoo!Newsの方に記事を書いたわけだが、ずいぶん久しぶりにPHR(Personal Health Record)のことを考えた。もっともこのブログのカテゴリー欄を見てもわかるように、これまで95件もPHR関連エントリを公開している。自分にとっては、Helth2.0と共に、一番力を入れて考えてきた分野がPHRだったと言えるだろう。
このブログを始めたころは、医療ITといえばEMRやEHRが中心的な話題であったが、どうもそれらの議論は、患者が不在のままに「政府とITゼネコン」ベースで進められているように思えたのである。だから海外ブログを漁っているうちにPHRという言葉を発見したとき、「個人」をベースに考えるというその新鮮な発想に共感したものだ。やがてGoogle Healthの噂が伝わってきたが、医療とITに関心を持つものなら、みんな本当に「これで医療が変わるのではないか」という期待を持っていたと思う。
今、PHRの実現を主張している人たちも、やはり同じような期待感に高揚しているに違いない。それらの期待感やチャレンジに水を注すのはやはり心苦しいのだが、それでもGoogle Healthが失敗したという事実から目をそらすわけにはいかない。すでにその失敗の事実を知っている私たちは、それに口を閉ざすことなく、そこから何かを学び取って、これからの自分たちのビジョンを再考する責任があるのだ。 続きを読む