2007年を振り返って: 医療の量的不足

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一心不乱に世界の医療とウェブをめぐる新しい動向を紹介し、その意味するところをあれこれ考察しながら書き継いできた当ブログであるが、今月ではや一周年を迎えた。何度も断っているように、元来、このブログはタイトルを見ればわかるが、「TOBYO」という新サービス開発上の進行状況や直面する問題を公開していこうとの趣旨で開設した。その本来の趣旨に照らしてみるなら、肝心の「TOBYO」ローンチがどんどん遅れ、一方の欧米Health2.0動向関連のエントリーがいつしか中心になって来たのである。率直に言って「本末転倒」とは、まさにこのブログのようなものを指すのかも知れない。 続きを読む

来春Health2.0コンファレンスのアジェンダ決定


(上のビデオクリップは前回Health2.0コンファレンスで上映されたHealthcare.comのもの)
今年2007年は何といっても、「最初のHealth2.0コンファレンスが開催された年」として銘記されるべきだろう。2004年前後からブレイクし始めたweb2.0に触発され、医療改革まで視野に入れた新しいムーブメントとして、Health2.0がその姿を現したのが今年2007年であった。そして、早くも次回コンファレンスが来春3月3日-4日の両日、ウェスティング・サンディエゴ・ホテルで開催されることが発表された。
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オープンソースPHRの”Indivo”がDOSSIAコンソーシアムに採用決定

Indivo

昨年、インテル、ウォルマート、ブリティッシュ・ペトロリアムなど、欧米巨大企業がPHR共通プラットフォームを作るために大挙結集したコンソーシアム”DOSSIA”。しかし、この夏にはシステム開発をめぐって、コンソーシアムと開発委託先であるOmnimedixとの間に訴訟が持ち上がり、その行く手には暗雲が立ち込めたのである。

その後、DOSSIAコンソーシアムはOmnimedixとの関係を清算し、新たな開発パートナーを探していたのだが、去る9月17日、ボストン本拠のCHIP(the Children’s Hospital Informatics Program)とパートナー契約を結ぶことを発表した。CHIPはハーバードメディカルスクールが運営するボストン子供病院における調査研究プロジェクトであるが、90年代半ばより患者中心PHRの研究を進め、“Indivo”と呼ばれるオープンソースのPCHR(Personally Contorolled Health Record)システムを開発している。今回のパートナー契約によりDOSSIAコンソーシアムは、そのPHRシステムのコアに”Indivo”システムを採用することになったわけである。 続きを読む

TOBYOアルファ版公開予定

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ウェブ上の闘病記を活用して闘病体験の共有をめざす「TOBYO」は、現在、アルファ版のテストと修正の真っ最中。昨日の進行確認ミーティングでおおよその目処は立っているが、まだソーシャルブックマーク周りの実装が残っており、アルファ版全体では越年して来月下旬の完成となる。 続きを読む

ソーシャルサーチの医療分野への応用

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昨日はユーザー側の医療リテラシーを考えてみたが、これは情報洪水に主体的に立ち向かうために必要な能力の問題であった。だがこれとは逆の方向から、情報洪水そのものを整理した上で情報提供し、きちんとしたリテラシーを具えた個人がより効率的に医療情報を利用できるようにする努力も必要になるだろう。 続きを読む