製薬会社のファイザーは、ウェブとモバイル機器をベースに家庭で手軽に参加できる「ヴァーチャル治験」の実験を発表した。
これは、すでに2007年に伝統的手法を使って実施された過活動膀胱の薬品”Detrol”の治験を、今回あらためて全く新しい「ヴァーチャル治験」スタイルで実施し、その結果を比較しようというものだ。この「ヴァーチャル治験」にはマイトラス社のシステムが使用される。
ファイザーによれば、これまで伝統的治験のネックとされてきた時間的コスト、実施運用コストを大幅に下げることが可能という。また、消費者側から見れば家庭でいながらにして治験参加できるし、これまで参加を阻んでいた地理的、時間的制約など各種障害が取り払われる。これは治験参加対象者の拡大につながる。
これらを見て思いついたのは、たとえば「治験コミュニティ」のような、治験を軸とする新しい患者コミュニティである。単に人的交流サービスだけでない、新しいスタイルの患者コミュニティ、あるいは医療リサーチ・コミュニティのヒントがこのあたりにあるような気がする。
三宅 啓 INITIATIVE INC.