グローバル化する医師SNS

DocCheck

米国の医師SNSが続々と隣国カナダへの進出を準備している。SermoやRelaxDocなどは、これまで会員資格として米国人医師であることしか認めていなかったが、今後、カナダ人医師も参加できるように会員資格条件を緩和する。

「何千というわけではないが、何百人かのカナダ人医師から問い合わせがあったのです。ご想像通りに、彼らはここに入ることを本当に切望しているのです。私たちは今年後半には、カナダの医師たちへ提案発表できる用意をしています。会員登録の方法は、これまでと違ったやり方になるかもしれません。間違いなく医師だけが参加できるようにチェックする仕組みを立ち上げねばなりません」とSermoのクレア・スピナ・ラッセル広報担当は述べている。 続きを読む

オーストラリアからPHR新登場: miVitals

miVitalsオーストラリアのスタートアップ企業からPHR(Personal Health Record)のニューフェースがローンチされた。「miVitals」は「健康とライフスタイルを記録するためのセキュアなオンライン・ストレージ・システム」と自らを定義している。「たいていの人は、自分の健康管理に従事するおよそ5人のプロフェッショナルを持っている。それはかかりつけ医、歯科医、眼科医、専門医、薬剤師などである」と説くmiVitalsは、生活者とこれら複数の医療プロフェッショナルが個人健康情報を共有するオンライン・ストレージになることを目指している。最初これら説明を読むと、「PHR」という言葉が全く出てこないので、今までにない新しいサービスであるかのように錯覚するが、その中身がやはりPHRであることに違いはない。 続きを読む

製薬業界ニュース・アグリゲーター:WORLD PHARMA NEWS.net

WPN

2月4日、製薬業界のニュースサイト「WORLD PHARMA NEWS」が新たにdiggスタイルのニュース・アグリゲーション・サイトをローンチした。今年は、Web2.0が企業などビジネスユースに浸透していくとの予測もある。ニュース・アグリゲーターは今さら目新しいものではないが、このケースのように、単に特定業界に特化しただけで相応の利用価値を生み出す可能性もまだ残っている。

昨日取り上げたNLMのツールバーもそうだが、既存の2.0ツールであっても、その対象を特化限定することによってニッチなニーズを捉える事が出来る。だが、問題もある。利用者を限定した場合、母集団が縮小されることによって、利用できる集合知の幅と深度が狭く浅くなってしまう。ニュース・アグリゲーション・サービスの場合、採集されるニュースとそれにたいする投票やコメントの数量が、母集団の縮小に比例して少なくなる可能性が強い。あくまで集合知パワーの前提は量的スケールであり、また一方では量的スケールが質的レベルを支えるという構造があるはずだ。この問題をどう解決するかが問われるだろう。

ちなみにこの「WORLD PHARMA NEWS」では「Pligg」というオープンソースのCMSが利用されている。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

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NLMの医療用カスタム・ツールバー

NLMtoolbar

世界で最大の医療図書館と言われる米国NLM(国立医学図書館)が、FireFox上で動くカスタム・ツールバーの提供を開始した。最近、当方はソーシャルブラウザ「Flock」を愛用しているが、中身はFireFoxなのでこのNLMツールバーも難なくインストールすることができた。上の写真(クリックで拡大表示)では「はてなツールバー」の上に見えるのがNLMツールバーだ。 続きを読む

患者と医師の「体験」をマネタイズする:HealthLat

HealthLat

HealthLatは、薬品や手術についての患者や医師の体験を集め提供するサイト。最近の医療情報提供サービスの傾向として、一般的な「医学情報」から、患者や医療者の「実体験の情報」へと情報内容はシフトして来ている。この背景には、医療情報の中心的メディアがレガシー・メディア(新聞、雑誌、書籍、テレビ等)からウェブへと変化したことが、やはり大きいファクターとしてあるだろう。最近の調査データなどにも示されているが、ウェブが名実ともに医療情報フローの主要インフラになり、これまで捉えがたかった個々の患者や医療者の体験情報までも、大量に収集し提供できるようになったのである。

だが現在問われていることは、これら患者や医療者によってもたらされる「現場の体験」の情報価値をどのようにマネタイズするかである。その注目すべき試行の一つがこのHealthLatなのだ。 続きを読む