データは次世代アプリの『インテル・インサイド』: Health2.0_SF_2010

Health2.0_SF_2010

先ごろ開催されたHealth2.0_SF2010。その劈頭を飾ったティム・オライリー発言の要旨を入手したのでご紹介しておきたい。でも、「要旨」だけあってディテールは貧弱。スカスカ感は否めないが、「ないよりマシ」と思っていただければうれしい。

内容は、まさに最初のこの一行に尽きる。

データは次世代アプリの『インテル・インサイド』である

思い出せば一年前、たまたまクリス・アンダーソン「Free」を読み、この言葉に再度出会い、再検討することから私たちはDFC開発を思いついたのだった。患者体験データが医療における「コアデータ」であることに気づいたのだ。医療分野で新しい情報サービスを開発するためには、とにかく「データ」に着目すること。どんなデータを、どこから、どの程度収集するか。その実行リスクとコストはどうか。そして「データ」をどんな形で提供できるのか。必要な機能と付加価値はなにか。 続きを読む

Health2.0、TOBYO、DFC、そして10月

Shinjuku_in_Autumn

昨夜、帰宅してみると食卓に鍋が出ていた。少し早いが、それでも暖かい鍋を美味しく食べた。今日からもう10月。今月はまず、なんといっても来週サンフランシスコで開催されるHealth2.0コンファレンスのTOBYO&DFCプレゼンだ。いよいよTOBYOが世界に向かってデビューする。そして今月、DFC(Direct From Consumer)アルファ版が完成する。TOBYOプロジェクトにとって、この10月は大変重要な一ヶ月となる。

今までこのブログをご覧になればおわかりいただけると思うが、TOBYO開発のために、私たちはまず世界の動向に目を向け、世界の新しい潮流とシンクロすることを常に考えてきた。日本には日本独特の医療文化があり、医療制度がつくられているが、これらの内部に属し完結してしまうような発想では、決して新しい医療情報サービスは生み出せないからだ。その意味で、今回Health2.0コンファレンスでのプレゼンテーションは、これまでの私たちの方向性からしてきわめて自然ななりゆきだと思う。 続きを読む

TOBYO、世界へ!

Health2.0SF2010s

Health2.0 San Francisco 2010のエグゼクティブ・プロデューサーであるLizzie Dunklee氏から公式招待状が届いた。これでTOBYOとDFCのプレゼンテーションはコンファレンス・アジェンダに公式登録されることになる。いよいよTOBYOが世界にデビューするのだ。気合が入る。

招待状によれば、会期二日目の10月8日午後3時45分からサンフランシスコ・ヒルトンのユニオン・スクエアで始まる”Health 2.0 Around the World”セッションに登場することになるようだ。日本からはメドピア株式会社の比木COOと当方パートナーであるメディカル・インサイトの鈴木さん、そしてインドから2社、イタリアから1社がこのセッションに参加する。

インターネット黎明期から、日本語圏ネット上に自然発生的に形成されてきた闘病者のオープンコミュニティ。自己意識を持たない自生的コミュニティ。そしてそこに蓄積された膨大な闘病体験データ。私たちはこれを「闘病ユニバース」と名づけ、そこにある全ての闘病体験の可視化と検索可能化に着手した。こうしてTOBYOプロジェクトは開始され、カオス状態である闘病体験データを構造化し、秩序を与え、その貴重なデータを誰もが、いつでも、容易に、効率よく利用し、共有できることをめざした。 続きを読む

イスラエルからTOBYOのライバル出現: First Life Research

FirstLifeResearch

先日エントリでご紹介したように、TOBYOとDFCのプレゼンテーションが、来る10月7日-8日サンフランシスコで開催されるHealth2.0コンファレンスでおこなわれる。TOBYO&DFCは初日7日午後から開催される「International Health2.0」というコーナーに登場する予定。当日、Health2.0コンファレンスに参加される方は是非ご覧ください。

メディカル・インサイトの鈴木さんが米国運営チームと今回プレゼンテーションの打ち合わせをされたが、Health2.0.orgのコ・ファウンダーであるインドゥー・スバイヤ氏にTOBYOを説明したところ「非常におもしろい!」とのお言葉を頂戴したとのこと。光栄である。また「TOBYOはOrganized WisdomやFirst Life Researchに似ている」とのコメントもあったそうだが、これにはいささか面食らった。

First Life Researchは初めて聞く名だが、さっそくウェブで調べてみると” New Site Coming Soon”とある。linkedinの会社プロフィールによればイスラエルの企業で、「世界で最も包括的な、客観的な患者レポートによるアウトカムのデータベースを構築。(患者UGCの)収集、体系化そして分析によって、全ての医療UGCのオンライン利用に着手。専用のセマンティック・アルゴリズムと医学オントロジーの適用によって、私たちは患者レポートを薬品に関する作用インサイトに変換することができる」云々とある。また「ウェブ上に公開された構造化されていないアウトカムについての患者レポートを、医学的に有意な情報に変換する」といった記述もある。 続きを読む

8月の終わりに

DFC_top

今日で8月が終わる。例年この時期になると、夏が終る兆しをあちこちに目にして、じわっと「逝く夏を惜しむ」気分が漂いはじめる。しかし今年は、夏が終わる気配が微塵もない。炎暑は続き、熱風が吹き、蝉は鳴き、あたかも「Endless Summer」が現実のものとなるかのようだ。

年初から取り組んできたDFCだが、今月、サイト・デザインが完成しデータベース設計が始まった。まずまず順調に開発は進んでいると言えるだろう。10月末には、実際にデモンストレーションやユーザー試用が可能となるはずだが、この時分にはもう夏は去っているだろう。とにかく今までまったく存在していなかった新しいシステムなので、どのように受容されるか不安はあるが、医療分野に一つのイノベーションをもたらす可能性をはらんだ開発に取り組むことは、私たちにとって大きな誇りである。やはりベンチャーである限りは、なんらかのイノベーションを目指し挑戦しなければ、との思いは強い。 続きを読む