銀杏、ハクセキレイ、システム開発

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ここ数日、秋晴れの日が続いている。昨日の強風のためだろうが、昼休みに新宿御苑遊歩道を歩くと銀杏が多数散乱していた。(写真)。それを皆ばりばりと踏み潰して行くから、周囲は銀杏の匂いでいっぱいとなる。それでも、風が爽やかなので気にならない。しばらく歩いていると、見かけない小鳥が道端に降りて、何か不思議なものでも見るかのように、じっとこちらをうかがっている。小鳥の好奇心の対象になるというのも、なにか変なものだ。その仕草と鳴き声に、おもわずハチドリを想起したが、まさか、こんなところにいるわけもない。あとで調べるとハクセキレイであった。3メートルほどの間隔をおいて、双方、しばらくにらみ合い状態が続いたが、後方から多くの人が歩いてきたので近くの木陰へ飛び込んでいった。

11月に入っても、まだ延々とDFCシステム開発はつづいている。当初計画からずいぶん遅れてしまったが、まあこんなものか。とにかくこんなシステムは今までどこにも存在しなかったのだし、それに新しいチャレンジゆえの試行錯誤もあったりで、やむをえないところも多々ある。だがどうしてもストレスはたまり、ときとして爆発することもある。だから、つとめて晴れた日は新宿御苑を歩きまわることにしている。コサギやクロウなどが池で遊んでいるが、それらを見ているとストレスも減る。

12月上旬に開催が予定されているあるセミナーで「本邦初お目見え」する予定。DFCのデモンストレーションをおこなう。ま、それまでには間に合うだろうが、一日も早いに越したことはない。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

ジャングル・ビートとDFC

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いきなり冬。コートを出した。今年の天候は極端だ。このまま厳寒の日々が来るのか。紅葉はどうなるのだろう。

一昨日、横浜へ山下達郎ライブを聞きに行った。昨年春も中野サンプラザで聞いたが、ボーカルパワーは今回の方が圧倒的に上。最初リズムがやや重いように感じたが、徐々に全速疾走。前半のジャングル・ビート(Bo Diddley!)ものメドレーが面白かった。お決まりの“心臓に指鉄砲”でのクラッカーなど、みんな楽しんでいたね。あっという間に3時間が経った。

ところで夏から開発に取り組んできたDFC(Direct From Consumer)(上図)だが、遅れてはいるものの進捗している。今日、ディスティラーが部分的に動くようになったので初めて使ってみたが、これは予想以上におもしろいツールになりそうだ。企画段階から「今までにないユニークなツール」というイメージを描いていたが、実際に動くさまを目にしてみて、たしかに今まで誰も体験したことのないユーザー・エクスペリエンス(ちとオーバーか?)だと思った。 続きを読む

医療情報の生態系 2

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前回エントリでは、日本語ウェブ上の医療情報について、量よりも質を先に論じるような「問題」の立て方自体がおかしいと指摘した。医療界や行政などから出てくる医療情報量の少なさを見ずに、個人や民間企業の「怪しげな情報」だけを取り上げて警戒心を煽るような「問題」の立て方こそが問題なのだ。本来、医療界や行政側の医療情報が量的にもっと充実していれば、「怪しげな情報」の突出も後退するはずだ。医療情報を生態系として捉える視点とは、全体のバランスを考量する視点であり、一方を指弾する視点ではないだろう。

では、これから医療情報生態系はどのような進化をとげるのだろう。そろそろ今後のビジョンを思いめぐらす時期に来ているのかも知れないと、最近考えることが多い。というのは、ここ数年ウェブを支配してきたWeb2.0がそろそろ終わるかもしれないからだ。その兆候として、すでにSBMやRSSの関連サービスの衰退が指摘されている。数年前に一世を風靡したdiggの大規模リストラが伝えられるご時世なのだ。確かにSBMやニュース・アグリゲーターなどは、早晩、ツイッターに代替される可能性が高い。また、2.0に代わってソーシャルウェブという言葉が語られることも増えてきている。

欲しい情報へ到達する手段が、検索エンジンやSBMからツイッターやFacebookにシフトする可能性も論じられている。これらツールやサービスの消長の先にどんなウェブがあり、そしてどんな医療情報の生態系があるのだろうか。そんなことを考えはじめている。 続きを読む

TOBYO in San Francisco

サンフランシスコ・ヒルトンで開催されたHealth2.0_SF_2010の二日目(10月8日)、午後のセッション”Health 2.0 Tools Around the World”で、TOBYOとDFCのプレゼンテーションをメディカル・インサイトの鈴木さんにお願いした。このセッションには日本からTOBYOとMedPeer、インドから2社、イタリアから1社が参加した。鈴木さんのすばらしいプレゼンテーションによって、TOBYOとDFCは世界に登場することができた。とにかく、早くDFCアルファ版を完成させなければならない。10月中の完成をめざしている。

なおこのビデオは、MedPeerさんのご好意によって提供していただいたもの。MedPeerの皆さん、ありがとうございます。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

First Life ResearchとTOBYO_DFC


昨夕、メディカル・インサイトの鈴木さんの来訪あり。先週サンフランシスコで開催された「Health2.0 SF 2010」について詳しくお話しを聞いた。TOBYOプレゼンをはじめとして、今回の鈴木さんのご活躍には本当に頭が下がる。その後、当方の「オフィシャル・レストラン」である随園別館に場所を移し、ピータン豆腐、切り干し大根卵炒め、水餃子、羊のしゃぶしゃぶなど食べながら、美味しい瓶だし紹興酒をぐいぐい飲んで楽しく歓談したが、TOBYOプロジェクトにとって今回のカンファレンスが非常に意義深いものであったことをあらためて確認した。

ポイントはたくさんあるのだが、その中でも、とにかく私たちのDFCのライバル”First Life Research”(以後FLRと略す)の登場が特筆される。このFLRの登場によって、「私たちの発想は決して孤立してはいなかったのだ」と意を強くした。このような医療における「ソーシャル・リサーチ」とも呼べる新しいサービスが、同時期に日本とイスラエルから登場したことがおもしろい。

だが同じ発想に基づきながらも、DFCとFLRはかなり違う。DFCが薬剤だけでなく医療機器、医療機関、治療法など医療マターを広範囲にカバーしているのに対し、FLRはあくまで薬剤だけに特化している。DFCは闘病ブログなど患者体験ドキュメントを収集しているが、FLRは患者コミュニティや掲示板のポストまで収集しているようだ。また分析手法も異なる。SF2010でのFLRのプレゼン・ビデオ(上図)が公開されたが、これを見て、想定していたよりマイニング技術の投入が少ないように思った。どうやらGoogleTrendsみたいな薬剤名出現の時系列把握、そして薬剤ごとの話題出現マトリクスがFLRの肝であるようだ。 続きを読む