医療提供のロングテール・モデル

HealthLongTail

先週、Health2.0ムーブメントきっての理論家であるスコット・シュリーブ医師が、次世代医療のイメージを、Web2.0のロングテール論になぞらえて発表した。まず上図を見ると、縦軸に患者アクセス数、横軸に提供治療法数をとったグラフ上に、ロングテール曲線が描かれている。従来たいていの患者は、「伝統的な医療業界」(たとえば診療所)から処方箋を受け取るなど、ある一定の限定された治療方法を提供されて満足していた。一般的な診療所の場合、およそ150から200程度の治療方法が提供されていると言われている。 続きを読む

医師SNSと医療ビデオ共有サイトが提携

DChannel

医師SNSの「Ozmosis」と医療ビデオ共有サイトの「The Doctor’s Channel」が業務提携を発表した。Ozmosisに関しては以前のエントリで取り上げたが、The Doctor’s Channelの方は、”Intercnet TV for Doctors”をキャッチフレーズとする「医師向け教育的YouTube」みたいなサービスである。 続きを読む

破壊的イノベーションとしてのPHR

NEJM_PHR

先週紹介したNEJM誌の論文「医療情報経済の構造的転換」だが、米国ではかなり大きな反響を呼んでいる。まず、New York Timesが「医療情報保管への懸念」という記事で、早速NEJM誌論文を取り上げている。だがこの記事は、論文のある一面のみをかなり誇張したような論調になっており、そのことが各方面、特にブロゴスフィアから批判されている。 続きを読む

医療現場のイノベーションを共有する”Innovations Exchange”

InnovationExchange

米国の政府機関であるAHRQ(医療研究品質調査機構)が先月、新しいウェブサイトをローンチしたのだが、これがなかなか面白い。サイトネームを「ヘルスケア・イノベーション・エクスチェンジ」といい、医療品質を高めるために医療現場で成功した事例を広く集め、医療者や保険会社など医療関係者で共有しようという試みである。 続きを読む

医療情報経済

consumer-Driven

NEJM(The New England Journal of Medicine)誌に、「医療情報経済の構造的転換」(ケネス・D・マンドル、アイザック・S・コハネ)と題する注目すべき論文が掲載された。まず「医療情報経済」(Health Information Economy)という言葉が新しい。だが、この言葉をGoogleで検索してみると、検索結果トップに「東京大学大学院 医療情報経済学・保健医療情報学」が表示される。アカデミズムでは、すでに確立した研究分野であるようだ。

それはともかくとして、今回発表された論文で、注目される部分をいくつか抜粋してみる。 続きを読む