医療現場のイノベーションを共有する”Innovations Exchange”

InnovationExchange

米国の政府機関であるAHRQ(医療研究品質調査機構)が先月、新しいウェブサイトをローンチしたのだが、これがなかなか面白い。サイトネームを「ヘルスケア・イノベーション・エクスチェンジ」といい、医療品質を高めるために医療現場で成功した事例を広く集め、医療者や保険会社など医療関係者で共有しようという試みである。

現在、このサイトでは約100の成功ケーススタディが公開されているが、今後、二週間ごとにアップデートされる予定である。米国医療の場合、GDPの約六分の一を占める医療費を抑制し、しかもその品質をいかに高めるかが模索されているのだが、このサイトは医療現場のイノベーションを共有しながら、同じような失敗事例を避けるというメリットもある。特に病院ウェブサイトでのサービスなどの場合、「そいつは面白いアイデアだが、果たして実際にワークするのか?」と悩む局面も多い。これらの場合、このサイトで成功事例や失敗事例を集め、新規サービスを事前評価することによって、効率的で低コストなサービス開発が可能となる。

これは、医療改善へ向けた一種の集合知活用であると言えるだろう。AHRQは組織や団体の壁を越えた、多様な個人の知識・経験共有を呼び掛けている。また、事例共有のほかに品質改善ツール、学習ツール、教育ネットワークなどが利用できる。

このAHRQの試みは、政府機関が2.0ツールを活用する事例として注目される。日本ではどうだろうか?。やっぱり無理か。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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