医師SNSの世界はSermoの独走状態が続いている。「打倒Sermo」の旗頭と目されるような、有望なコンペティターの姿は依然として見えない。”Ozmosis“は昨年からベータ版が公開されていたような記憶があるのだが、その後、さしたる話題もなく苦戦しているようだ。
とにかくトップブランドの”Sermo”に対して、競争対抗ドメインを創造しなければならないのだが、現状のサービス・ラインナップを見る限り”Sermo”を脅かす陣形にはなっていない。また、「市場のリーダー」になるよりも「卓越した二番手」を目指す道もあるはずなのだが、そのような気配もない。
一方、Sermo会員はすでに6万人を数えさらに増加中。着々と拡大を遂げているわけだが、それよりも「Sermo会員の結束はAMA(米国医師会)よりも強い」と言われるほど、コミュニティとして強い結束力を持つに至っているところが注目される。コミュニティベースでビジネスを構想する場合、このあたりの分析が非常に重要だと思われる。つまり「コミュニティのクオリティ」をどの側面で高度化していくかについての戦略と、それをいかに維持していくかについてのマネジメントが問われるのではないか。
三宅 啓 INITIATIVE INC.