米国大手医療保険カイザーパーマネンテは今月6日、被保険者に無料提供してきたPHR「My Health Manager」を拡充ローンチしたと発表した。カイザーでは2005年から同PHRを提供してきたが、登録会員数はすでに160万人を越え、自称「世界で最もアクティブなPHR」としている。 続きを読む
カテゴリーアーカイブ: PHR
視界不良の医療IT化国家プロジェクト
「過去数年間、連邦議会の医療IT化法案は同じパターンをたどった。立法者から発せられたビッグ・アナウンスメント、煽り立てと興奮、そしてその後は『ナッシング』。法案は委員会審議に張り付いたままか、あるいはホワイトハウスと議会がそれぞれのバージョンの法案を調整できないでいる。」(by Colleen Egan, iHealthBeat)
このパターンの典型的な法案は、2005年にエドワード・ケネディー上院議員から提出され、今年になって再度提出された「米国における共同利用可能な全国医療情報技術システムの導入強化、および医療のクオリティを改善しコストを抑制する法案」(S.1693)である。だが今回もプライバシー団体の反対に遭遇し、その前途は多難である。 続きを読む
HealthVaultの「四つの誤解」
マイクロソフトHealthVaultが先月発表されてからおよそ一ヶ月。さまざまな議論がウェブ上で繰り広げられているが、どちらかと言えば、HealthVault自体よりもマイクロソフト社に対する反感に由来する拒否反応が多いようにも見える。上のマンガはHealthVaultを皮肉ったものだが、ここでもHealthVault自体よりもマイクロソフト社に対する風刺がメインとなっている。マイクロソフト社の企業イメージによって、ずいぶん損をしているとすれば、HealthVaultにとっては不幸な事態と言えるだろう。 続きを読む
HealthVaultをめぐる議論の嵐
今月4日、マイクロソフト社から発表され大きな話題となったHealthVault。発表当初のセンセーショナルな興奮は早くも沈静化したが、その後、様々な方面から議論が起きている。
まず、あらためて「HealthVaultとは何か?」ということであるが、これに関し「HealthVaultはPHRではなく、むしろ医療情報プラットフォームというべきではないか」という意見が出されている。たしかにHealthVaultはPHRやEHRをはじめ、外部リソースから個人医療情報をアグリゲートする点が重視されており、そのために外部パートナーとの連携が強調されている。「PHRのプラットフォーム」ということでは、インテル、ウォルマート、ブリティッシュ・ペトロリアムらのコンソーシアムが進めているDOSSIAプロジェクトのことが思い起こされるが、DOSSIAと競合する位置にあるのかもしれない。 続きを読む