オープンソースPHRの”Indivo”がDOSSIAコンソーシアムに採用決定

Indivo

昨年、インテル、ウォルマート、ブリティッシュ・ペトロリアムなど、欧米巨大企業がPHR共通プラットフォームを作るために大挙結集したコンソーシアム”DOSSIA”。しかし、この夏にはシステム開発をめぐって、コンソーシアムと開発委託先であるOmnimedixとの間に訴訟が持ち上がり、その行く手には暗雲が立ち込めたのである。

その後、DOSSIAコンソーシアムはOmnimedixとの関係を清算し、新たな開発パートナーを探していたのだが、去る9月17日、ボストン本拠のCHIP(the Children’s Hospital Informatics Program)とパートナー契約を結ぶことを発表した。CHIPはハーバードメディカルスクールが運営するボストン子供病院における調査研究プロジェクトであるが、90年代半ばより患者中心PHRの研究を進め、“Indivo”と呼ばれるオープンソースのPCHR(Personally Contorolled Health Record)システムを開発している。今回のパートナー契約によりDOSSIAコンソーシアムは、そのPHRシステムのコアに”Indivo”システムを採用することになったわけである。 続きを読む

2008年、医療IT動向予測

sunrise

年の瀬である。今年もあと残すところ10日あまり。来年のことを言えば鬼が笑うのだが、そろそろ来年の予測なぞやってみてもよさそうである。と、思っていたところに折よく、医療IT界ウォッチャーにしてiHealthBeatのレポーターを務めるJane Sarasohn-Kahnさんが、「Get Out the Crystal Ball: Predicting What’s Next for Health IT」というネタを提供してくれているではないか。ありがとうジェーンさん。今回は、ジェーンさんの予測を頂戴しよう。 続きを読む

ドイツの電子健康保険カード

GermanHealthCard

ドイツ政府が構想している電子健康保険カードは、導入に伴う技術的、法的、組織的な整備をすでに終え、いよいよ実用段階に入ったようだ。ドイツでは、これまでも電子カードの健康保険証を国民に配布していたが、これはメモリーカードであり機能は限られていた。これから導入される新電子健康保険カードは、マイクロプロセッサーが搭載されており、データの保存のみならず、さまざまな機能が追加される予定である。 続きを読む

ドイツのHealth2.0

imedo

米国のみならずEU諸国でも、米国のHealth2.0に呼応する新しい胎動が始っている。その中でドイツの状況を見ると、まずヘルス・エスタブリッシュメント側の取り組みとして、来月からPHR実験プロジェクトが起動する。ドイツ最大の医療保険会社Barmerは、PHRの利益と受容性を検証する三年間の実験プロジェクトを計画している。 続きを読む

次世代PHR開発プロジェクト:Project HealthDesign

healthdesign

医療ITの世界では、今年になってPHR(Personal Health Records)に注目が集まり始めたが、「Google Health」の試行錯誤を見てもわかるようにまだ難問は山積している。だが、雇用者主導型のDOSSIAをはじめ、保険会社、医療機関などさまざまな関係者が入り乱れ、それぞれのPHR開発に取り組んでいる。

これらとは別に、次世代の革新的なPHRを生み出すべく一つの開発プロジェクトが始動した。「Project HealthDesign」は財団法人ロバート・ウッド・ジョンソンと財団法人カリフォルニア・ヘルスケアが共同出資し、ウィスコンシン医科大学が事務局を務めるPHR開発に特化した協同プロジェクトである。投資総額は4.4百万ドル(約5億円)。開発期間18ヶ月で新しいPHRを創造することをめざしている。 続きを読む