医療分野でTwitterを活用する10の方法

CDCEmergency

昨日エントリで、災害や感染症のアウトブレーク時にTwitterがライフラインになる可能性などを検討したが、すでに米国CDC(疾病対策予防センター)ではTwitterを使って、新型インフルエンザに関する最新情報を配信している。
8月24日付USA TODAYは“Doctors: A Tweet a day keeps the patients informed”と題し、医療におけるTwitter利用の話題を取り上げているが、「Twitterの医療利用の勧め」として10の利用方法が提唱されている。

  1. 災害時の警告および対応
  2. 糖尿病管理(血糖値トラッキング)
  3. FDA(食品医薬品局)からの薬物安全性警告
  4. 医療デバイスによるデータ収集とレポーティング
  5. 看護師や他の医療プロフェッショナルの交代指示
  6. 診断ブレーンストーミング
  7. 希少難病のトラッキングとリソースコネクション
  8. 禁煙支援の提供
  9. 新米の親に、乳幼児ケアのコツをTwitter配信
  10. 退院後の患者相談とフォローアップケア

これらを見るといささか不揃いの感もあるが、これからのTwitter医療利用開発のたたきとして十分に使えるだろう。 続きを読む

TwitterとHealth2.0


海外の医療界ではTwitterが大ブレークする兆しがある。このスライドは今年はじめ、ブダペストの医学生Bertalan Mesko氏を中心に作成されたものだが、医療におけるTwitterのさまざまな利用アイデアやその可能性をコンパクトに要約している。中でも胎児モニター「kickbee」は、妊婦が装着するベルト状のセンサーで胎児の足蹴りを感知し、Twitter経由で医師に通知するものであるが、これは面白い!。Twitterの特徴であるリアルタイム性に着目すれば、このように患者側の症状をモニターするデバイスを介して、Twitter経由で医療者が常時サポートするような遠隔医療サービスが簡単に構築できそうだ。

また、今回の新型インフルエンザのような感染症のアウトブレークに対しても、Twitterでユーザーから情報収集し感染エリアをマッピングするとか、あるいは保健当局から必要な情報をTwitter経由で配信するとか、さまざまな利用方法が考えられる。つまり、感染症アウトブレークや天災など、突発時のライフラインとしてTwitterが活用される可能性は大きい。 続きを読む

肺リンパ脈管筋腫症(LAM)克服に挑むオープンソース方式の医学研究開発:LAMsight

LAMsight

またまた「革命」の話で申し訳ないが、春先からGoogleグループの遺伝子解析サービス「23andME」などを中心として、”Research Revolution”というフレーズが語られはじめた。これは難病の新薬や新治療法の研究開発に、クラウドソーシングやオープンソースなどマスコラボレーションの手法を活用し、患者コミュニティのパワーを使って、安く早く疾患を克服することをめざすムーブメントである。すでに23andMeでは「全世界一万人のパーキンソン病患者コミュニティ」設立に着手し、従来の研究開発手法では実現できなかった実験規模、低コスト、そしてスピードでパーキンソン病克服プロジェクトを起動させている。このプロジェクトには難病患者コミュニティPatientsLikeMeも参加しており、大量の遺伝子データ、薬剤服用データ、副作用データなどを活用して、今までにない世界的規模でのパーキンソン病克服への挑戦が始まっている。

8月24日付のNew York Times紙は、これら”Research Revolution”の現況について詳しく報じているが(“Research Trove: Patients’ Online Data”)、その冒頭に肺リンパ脈管筋腫症(LAM)克服をめざすLAMsight が紹介されている。 続きを読む

e-ペイシャント革命


一昨日、「ソーシャルメディア革命」を取り上げたが、今度は「e-ペイシャント革命」である。まぁ、いろんな「革命」が勃発するものだ。この「e-ペイシャント革命」は、どうやらコンファレンスのプロモーションビデオのようだ。「e-Patient Connections 2009」 と題されたこのコンファレンスは、10月26-27日にフィラデルフィアで開催される。

参加費は1,795ドル(!)で参加特典として「8GB iPod Touch」が付くらしい。オマケとしては面白いが、それ以上のものでもない。とにかくこのコンファレンスサイトを見ていると、何かコンファレンス屋の商魂だけが剥き出しで露出しているような感がある。だが、人の商売にケチをつけるつもりもない。

しかし、一方では強い既視感におそわれる。先日エントリでも触れたが、かつて「e-ヘルス革命」とやらが喧伝されていた時分、同時に「e-ヘルスコンシューマーの台頭」ということが言われていた。この「e-ヘルスコンシューマー」とやらが「革命」の主要な担い手であるとかないとか、何かそのような議論があったと記憶する。だが当時からそれらの言説に対し、正直なところ首を傾げざるを得なかった。その牽強付会ぶりに対し、強い違和感があった。今になって明言できるが、「e-ヘルスコンシューマー」などどこにも存在していなかったのだ。 続きを読む

TOBYOプロジェクトの強化改善と修正点

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今週からいきなり秋めいてきたが、TOBYOプロジェクトはいくつかの修正をしながら、今年後半へ向けて動き始めている。TOBYO自体の機能改善は引き続き進めているが、他方、ビジネススキームもさまざまな方々と相談をしている。

まずTOBYOの機能改善では、検索エンジンの精度向上と機能強化に取り組んでいる。従来、クローラーのパーフォーマンスが問題となっていたが、これにかわる新たなクローラー開発を進めているところだ。本文抽出や重複データチェックなどで大幅な精度の向上を目指している。とにかくバーティカル検索エンジンはTOBYOプロジェクトの要となるユニットであり、この改善強化のプライオリティは高い。文字通りの「世界初の闘病体験全文検索エンジン」として、さらに「闘病情報の社会インフラ」として、さまざまな方々に使っていただけるよう、今後もここに注力していきたい。 続きを読む