連日、秋晴れの日が続く。お昼は新宿御苑の広々した芝生の上でお弁当を広げ、食後はごろんと寝っ転がる。見上げる青空を背景に、赤とんぼが低く飛びかう。もう午後はこのまま心地よい風に吹かれて過ごしたいところ。だが仕事に戻ろう。
闘病記1万件のバーティカル検索をめざして仕事を続けている。なんとか今月中には公開したい。これで一万人の闘病体験を隅々まで可視化できる。とにかく「実際に役立つものを作りたい」と考えてきた。病気を克服しようとしている人々が、実際に使って役立つもの。これを作るしかない。 続きを読む
連日、秋晴れの日が続く。お昼は新宿御苑の広々した芝生の上でお弁当を広げ、食後はごろんと寝っ転がる。見上げる青空を背景に、赤とんぼが低く飛びかう。もう午後はこのまま心地よい風に吹かれて過ごしたいところ。だが仕事に戻ろう。
闘病記1万件のバーティカル検索をめざして仕事を続けている。なんとか今月中には公開したい。これで一万人の闘病体験を隅々まで可視化できる。とにかく「実際に役立つものを作りたい」と考えてきた。病気を克服しようとしている人々が、実際に使って役立つもの。これを作るしかない。 続きを読む
来週、22日、23日の両日、サンフランシスコで第二回Health2.0コンファレンスが開催される。昨年9月の第一回コンファレンスからこの1年間を振り返ると、Health Vault、Google Health、Dossiaの三大PHRが姿を現したことをはじめ、最近のRevolutionHealthの挫折に至るまで、特筆すべきいくつかの大きな動きがあった。また、多数のスタートアップ企業は、世界中で様々な新しいサービスをリーリースした。だが、まだこれらはほんの序曲に過ぎないはずだ。大規模PHRにせよ、本格的に消費者が参加するところまでには至っていない。
それでもSermoやPatientsLikeMeなどが、ビジネスとして一定の成果を上げ始めているのは心強い。この両者は顧客は違うのだが共通する点も多く、事業開発の先行事例として参考になるはずだ。彼らのビジネスモデルとその成功要因を学ぶことによって、市場のアーリーステージにおける事業化の指針を得ることができるだろう。そのように考えて、いろいろと分析を試みたりもしている。そして、その結論はきわめてシンプルなものである。
ともあれ、今年のコンファレンスでどのような問題が提起されるかに注目したい。
(ビデオはサンディエゴで開催された春季コンファレンスのもの)
三宅 啓 INITIATIVE INC.
佐々木俊尚さんが新著「ブログ論壇の誕生」の特別付録として、文藝春秋サイトで「佐々木俊尚が選んだ著名ブロガーリスト」を公開している。なんとなく見ていると、なんとこの「TOBYO開発ブログ」がリストの中に入っているではないか。光栄である。しかし、いや、驚いた。
だが、錚々たるブロガーが名を連ねるリストの中で、このブログはいかにも非力な新参者。医療とウェブをネタに、好き勝手にワーワーと、言いたい放題、書き散らかしてきただけである。たしかに米国と比べると、日本では医療とウェブを取り上げたブログは極端に少ない。Health2.0やPHRなど、新しい動きを論じるブログもあまり目にしたことがない。その意味で、少しは稀少価値があるのかもしれない。
ブログのみならず、日本の医療界自身とその周辺は無関心を決め込んで、今、世界の医療で起こっている新しい動きを知り論じる気配さえない。きわめて内向的になっているように感じられる。それが不満で書いているようなものだが、実は意外にも様々な方々から反応を頂戴している。当方元来、根がへそ曲がりときているが、ここは素直に感謝しておかなければならない。
三宅 啓 INITIATIVE INC.
ヨーロッパ各国の医療情報システムを相互運用する広域実験プロジェクトが開始される。このプロジェクトはepSOS(European Patient Smart Open Services)と名付けられ、欧州委員会の支援のもとにEU加盟12カ国が参加を表明している。これら各国はそれぞれ自国の国民医療情報システムを持っているが、今回の実験プロジェクトは各国システムを相互に接続し、EU市民がEU域内のどこにいても、自分の医療情報を利用できる環境を提供することをめざしている。背景には、近年、国境を越えた市民の域内移動が活発化しており、これに対応する医療情報システムが必要になっている事情がある。 続きを読む
しばらくブログの方は休みにして、ここのところ連休もTOBYOの仕事に集中していた。世界恐慌を思わせる事態が進展しているが、この経済危機が「20世紀-21世紀」という時代の切断線を鋭く引いてしまうのであれば、あるいは古いシステムを本質的に淘汰するのであれば、それはそれで前向きに受け止めることができるのかもしれない。
たとえばGoogleのストリートビューをめぐって、最近ブロゴスフィアで議論があったが、本質的に新しいものは「異形」に見え、従来システムと摩擦を起こすものである。本質的に新しいものは、過去と未来の間に明確な切断線を引き、どちらの側に立つのかを無慈悲に迫るものである。今日の日経「Monday Nikkei 法務」欄でもこのストリートビュー問題を取り上げていたが、この記事が「切断線」のどちら側に立って書かれているかは明らかだ。それは「便利かのぞき見か両論」というキャプションの振り方を見ればわかる。
さて、ブログを休んでいる間に有益なコメントをいくつかいただいたので、ここでまとめてお礼申し上げたい。ありがとうございました。
まず「見放された闘病者についての考察」に対して、Kentiさんから傾聴すべきヒントをいただいた。たしかにご指摘のように、何らかの注釈をつけて闘病記を紹介するという方法があるので検討してみます。nishiさんからは代替医療の他に統合医療(Integrative Medicine)の存在を示唆していただいた。アンドルー・ワイルなどが提唱しているのは耳にしていたが、その後大学でも取り組まれていることを教えてもらった。
「書評:次世代マーケティングプラットーフォーム」に対しては、この本の著者である湯川さんご自身からコメントをいただいた。恐縮です。Health2.0にもご注目いただければ幸いです。
三宅 啓 INITIATIVE INC.