二つの視線

ブログを書くようになって、いろいろな人から声をかけてもらい意見交換する機会が増えてきている。テーマは様々だが、やはり新しい医療サービス、それもウェブを利用したサービスの可能性について議論することが多い。新規事業アイデアの可否をめぐって意見を求められることもある。もちろん、これらのディスカッションが自分にとって興味深いことは間違いないのだが、そこに何か言葉にならない違和感を覚えてしまうことも多い。

その違和感を探ってみると、「医療界から事業を見る視線」と「事業から医療界を見る視線」が互いに交差点を持たないまま行き交う現場に立ち会うことへの、一種の苛立ちがそこにあることに気づく。その二つの視線が仮に交差するとして、理屈の上ではその交点に「患者」が見えなければならないはずなのだが、いくら議論しても患者は現れず交点も見えてこないのだ。しかも一方では「患者中心の・・・・」とか「患者に優しい・・・・」などと、歯の浮くような美辞麗句が空々しく語られているのである。 続きを読む