横断的な知の結集

残暑厳しき折、一人の若者が当方を訪問してくれた。医療変革にかける彼の大きな志に接し、清涼な風に吹かれるような清々しい時間を持つことができた。まず、このことに感謝をしたい。Health2.0、PHRと意見交換したが、あらためて日本におけるこれらの可能性を問われてみると、まだ自分なりに決着のついていない問題も多いことに気づかされ、はたして充分に返答できたかどうか定かではない。

たとえばPHRであるが、いくつかの試行はあるものの、まだ日本では本格的なPHRは出現していない。その原因を説明するために、日本医療の現状からネガティブファクターをもっともらしく列挙するのは容易だろうが、それを言ってみたとことで現実的なソリューションを提起することにはならない。とどのつまり、リスク負担を覚悟する確信犯的なプレイヤーがまだ登場していないということではないのか。「確信犯的なプレイヤー」さえ舞台に上がれば、局面を打開するシナリオはなんとでも作案でき、それなりに舞台はブリコラージュとアドリブで進行するのだろう。 続きを読む