PHR:医療現場での利用イメージ


(Microsoft Surface Demo for Patient Consultation (Interface by Infusion)

先日エントリでHealthVaultの家庭における利用イメージビデオを紹介したが、なぜかYouTubeから削除されてしまったようだ。その代わりと言っては何だが、PHRのもう一つの重要な利用シーンである医療現場における利用イメージを、やはりHealthVaultの紹介ビデオで見ておこう。

HealthVaultの医療現場での利用のために、マイクロソフトは「MS Surface」というアプリケーションを開発しているようだ。このビデオは医療現場で、この「Surface」を介して、医療者と患者がどのようにPHRの情報を利用できるかを紹介している。注目されるのはデスク上に平面設置されたディスプレイである。通常の縦置きディスプレイでは、医療者と患者の視線は平行で交わることがない。だがこのような平面設置ディスプレイなら、常に相手の視線を捉えながら、双方のコミュニケーションが可能となる。また、IDカードを画面上において読み取れるなど、操作性も良さそうだ。このSuefaceは、すでにテキサス州の医療機関”Texas Health Resources”で稼働しているとのことである。
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未来医療とPHR

このブログでは、おそらく日本で最も早く海外のPHRの動向を取り上げ、その意味を考察してきたと思う。そしてこの二年ばかりの間に、HealthVault、GoogleHealth、DOSSIAなど大規模PHRが登場してきたのだが、ではこれらが、未来の医療システムに一体何を持ち込むのかということについては、まだ不透明な部分が多い。だが、ここ二年ばかりの動きを注意深く観察してみると、PHR進化の道筋に沿って前方へと視線を投じることによって、未来の医療の姿形がおぼろげに透視できるような気がする。 続きを読む

PHR: MS「Health Vault」の利用イメージ

MS「Health Vault」の使用イメージ

マイクロソフトのPHR「Health Vault」は、Google Healthよりも約半年早く、一昨年秋にリリースされた。その後の両者の競争状況を見ると、Health Vaultがやや優位に立っているのではないかと評されることが多い。だが、一般消費者には両者の差異は分かりづらく、「結局、大差ない似たようなシステムではないのか」と疑問を呈するブロガーまで出てきている。

独自性の明確化と差別化が求められているのだが、その意味もあってか、マイクロソフトはHealth Vaultのプロモーションビデをいくつか発表している。上のビデオは、そのうちの「Health Vault in Action」と題された一本。実際に家庭で、どのようにHealth Vaultが使われるのかをわかりやすく見せている。血糖値、血圧などの家庭用計測デバイスとHealth Vaultが連携する様子がよく分かる。PHRのデータ取り込みについては、どうしても医療機関側のEMRやEHR経由を想起しがちだが、糖尿病、高血圧症といった慢性疾患では家庭用計測デバイスが活躍する。ビデオでは、いずれのデバイスもワイヤレスでPCと交信しているが、このあたりちょっとしたことなのだが、使用感は格段に違うと思う。
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Google Healthの付加サービス登場

epocrates

先週、情報共有サービスを発表したGoogle Healthだが、サードパーティが提供する付加サービスも登場してきた。

医師向け薬剤情報サービスのEpocratesだが、Google Healthユーザーがかかりつけ医師に、自分の医療情報を見る許可を与えるサービスを開始している。Epocratesを利用している医師の会員IDを教えてもらい、Google Healthユーザーが「かかりつけ医師」として登録する仕組みになっている。だが、これでは先週発表された情報共有サービスとダブりそうだが・・・・・。さてどうするのだろうか? 続きを読む

Google Healthの新機能

Ghealth

3月4日、GoogleはオフィシャルブログでGoogle Healthの新機能を発表した。今回追加された新機能は情報共有機能とグラフ機能である。

まず情報共有機能だが、Google Healthに蓄積されたユーザーの個人医療情報を家族、友人、医師などと共有することができる。これによってユーザーの病歴、薬歴やアレルギーの有無など個人医療情報が近しい人々と共有され、突発時に適切な救急医療を受けることができる。情報共有するためには、Google Healthにログインの上、「このプロフィールを共有する」ボタンをクリックして共有したい人のメールアドレスを入力する。すると招待メールが共有相手に送られ、相手はメールに記載されたリンクを利用してユーザーの個人医療情報を見ることができる。このリンクは記載メールからのみ利用でき、転送メールなどからは利用できない。また、ユーザーは自分の個人医療情報へのアクセス状況記録を確認することができ、いつでも共有を停止することもできる。 続きを読む