先週、情報共有サービスを発表したGoogle Healthだが、サードパーティが提供する付加サービスも登場してきた。
医師向け薬剤情報サービスのEpocratesだが、Google Healthユーザーがかかりつけ医師に、自分の医療情報を見る許可を与えるサービスを開始している。Epocratesを利用している医師の会員IDを教えてもらい、Google Healthユーザーが「かかりつけ医師」として登録する仕組みになっている。だが、これでは先週発表された情報共有サービスとダブりそうだが・・・・・。さてどうするのだろうか?
次に電子カルテのベンダであるunvalだが、ファックス、携帯電話、そしてPDAからユーザーが入力した医療情報を、Google Healthのデータ形式に変換して入力するサービスを開始した。マイクロソフト社のHealth Vaultにも対応している。
そしてGoogle Healthの個人医療情報をもとに、そのユーザーに最適な治験情報を提供するサービスがtrialXである。これを使えば、汎用検索エンジンで検索するよりもはるかに短時間で治験など新しい治療方法を探すことができる。ブログサイトを持っているユーザーは、検索窓をウィジェットで貼ることもできる。
先行するHealth Vaultの後塵を拝した感もあるが、ようやくGoogle Healthにもサードパーティのサービスが登場してきた。もとよりPHRは単体で自己完結するシステムではない。医療現場や患者生活圏との間に、PHRを取り巻く多様な新しい付加サービス群が誕生する可能性がある。これらPHRをコアとする、新しい医療IT生態系の今後に注目したい。
三宅 啓 INITIATIVE INC.