Google Healthの新機能

Ghealth

3月4日、GoogleはオフィシャルブログでGoogle Healthの新機能を発表した。今回追加された新機能は情報共有機能とグラフ機能である。

まず情報共有機能だが、Google Healthに蓄積されたユーザーの個人医療情報を家族、友人、医師などと共有することができる。これによってユーザーの病歴、薬歴やアレルギーの有無など個人医療情報が近しい人々と共有され、突発時に適切な救急医療を受けることができる。情報共有するためには、Google Healthにログインの上、「このプロフィールを共有する」ボタンをクリックして共有したい人のメールアドレスを入力する。すると招待メールが共有相手に送られ、相手はメールに記載されたリンクを利用してユーザーの個人医療情報を見ることができる。このリンクは記載メールからのみ利用でき、転送メールなどからは利用できない。また、ユーザーは自分の個人医療情報へのアクセス状況記録を確認することができ、いつでも共有を停止することもできる。

さらにリンクの有効期限(30日間)が設定されていたり、共有者からは特定の情報だけが見えるだけで編集できないようになっているなど、かなりプライバシー保護に気を使っていることがわかる。またオンラインで情報共有できない場合を想定して、名刺大のカードやレターサイズ用紙に印刷できる。

一方グラフ機能だが、これは検査データなどを視覚的に理解するためのものだが、データが検査ラボなどから自動入力されるのか、それともユーザーが自分で入力する必要があるのかは不明。

今回の新機能では「情報共有機能」がメインであるが、どうもプライバシー保護への配慮が強すぎるような気もする。これは米国プライバシー保護諸団体からの、PHRに対する昨年来の「逆風」を意識してのことだろう。だがあまりにプライバシー保護を強調しすぎると、情報共有を阻害することになりかねない。この「プライバシー保護と情報共有」のトレードオフをどのように調整するかも、今後のPHRの大きな課題となるだろう。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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  1. ピンバック: 医薬・医療マーケティング研究所

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