Google Health: エリック・シュミットCEOのプレゼンテーション


先週、GoogleのCEOエリック・シュミット氏がHIMSSに登場し、「Google Health」を公式発表し大きな話題になったが、そのプレゼンテーションの公式ビデオがGoogleからYouTubeにアップされた。

プレゼンの冒頭、「なぜ、われわれGoogleはここにいるのか?」とHIMSSの大勢のオーディエンスを前にして、エリック・シュミット氏は尋ねている。おそらくシュミット氏にとって、医療関係コンファレンスに登場するのは初めての経験だったのだろう。普段とは違う、緊張したような雰囲気さえ時折感じられるのだが、徐々にフランクな語りぶりを取り戻し、非常にわかりやすい説明をしているのはさすがである。 続きを読む

Google Health 対 Health Vault

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先週、Google Healthが正式に発表され、これで「PHR三大プラットフォーム」が出そろったことになる。Google Healthについてその後、次の諸点が明らかになっている。

・広告は掲載しない
・米国以外の海外市場への進出予定は、今のところない
・パトートナー団体が続々決定

Google Healthのビジネスモデルは、今のところまったく視界不良だ。昨秋の段階では、マリッサ・メイヤーVPが一部有料化まで示唆していたが、この可能性はもともと低かった。次に広告モデルであるが、プライバシー団体からPHRに対し「プライバシー&セキュリティ」追及の動きがあり、これを刺激するような広告モデル採用は得策でないと判断したようだ。また、海外市場展開であるが、これについてエリック・シュミットCEOは「他の海外市場は国営医療制度が多く、規制障壁が高い」と述べ、当面、米国以外の展開を否定している。またパートナー企業だが、リテールクリニック、医療機関、保険会社、医療支援団体、検査ラボなどが続々と決定しているようだ。 続きを読む

Google Health、ついに公式発表

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昨日28日、フロリダはオーランドで開催されている米国医療情報界最大の年次イベントHIMSS2008 で、GoogleのCEOエリック・シュミット氏がキイノート・スピーチをおこない、同社PHRシステム「Google Health」のローンチを公式に発表した。シュミット氏は「Google Health」が現在の医療実務を根本的に変革するものになることを公約し、「個人医療データを、医療機関やペイヤーのデータベースから解放し、患者に従うようにする」と述べた。

このスピーチ内容を読んで、「しかしエリック・シュミットも、ずいぶん思い切った言い方をしているな」と思うのだが、実は「本来のPHR」の勘所はここにあると当方は考えている。これまでも当ブログで書き散らかして来たのだが、本来、PHRはEHRをはじめ他の医療システムの上位に立ち、これらを統合する中心的な医療情報システムであるはずだ。つまり、他のシステムに分散したすべての個人医療情報をユーザーの手元へ集約統合し、ユーザーの意思に基づいてデータ運用するシステムであるはずだ。これはアダム・ボスワース氏以来、「Google Health」の指導的な開発原理となっていたが、現在もGoogle内部で継続されていることは喜ばしいことである。 続きを読む

「匿名ニーズ」対応のPHR: keyose

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先週、Googleとクリーブランドクリニックの提携によるGoogleHealthパイロットテスト実施がアナウンスされ、いよいよPHR市場起動へ向けた本格的な競争が始まった。だが、同時に発表された、PHRに警鐘を鳴らす「世界プライバシーフォーラム」のレポートの登場は、依然として「プライバシー&セキュリティ」というハードルがPHRの前に立ちふさがっている現実を改めて示した。 続きを読む

カードベースのPHR: MiCARD


今日の米国主要メディアは、すべて「Google Health」パイロットテストの話題を取り上げている。昨日エントリーをポストした後で当方が気がついたのは、このパイロットテストが、外部医療機関に分散する個人医療情報をGoogle Healthへアグリゲートする実験であることだ。その点を少し考えてみると、Google HealthがマイクロソフトHealth Vaultやインテル陣営のDOSSIAと、今後、提携医療機関の獲得を巡る競争に突入することが想定される。 続きを読む