DFC進行状況

3月も今日で終わり、早いもので明日からもう4月。TOBYOプロジェクトはここ3ヶ月の間、DFC商品化のための検討とテスト制作、そして検索エンジン「TOBYO事典」新規クロールの二つに取り組んできている。TOBYO事典は来月4月半ば頃にバージョンアップできる予定で、現在1万4千サイト300万ページの検索対象をさらに増量し、闘病体験可視化領域を拡大する。このように検索エンジン側の可視化領域が拡大すれば、DFCでハンドリングする解析データも増え、一層精緻に医薬品等の消費者体験&評価を提供することが可能となる。

DFC(Direct From Consumer)商品化だが、これは医薬品、医療機器、医療機関などを消費者体験から分析する”Fact Finding Tool”を目指している。たとえばある医薬品について、それを実際に体験した消費者の声を公開された闘病ドキュメントから集め、その医薬品がどのように消費者から体験されたかを分析する素材を提供するものだ。まだ詳細を公開できる段階ではないが、このDFCは大きく二つのパートから成る。 続きを読む

慢性疾患患者は健常者に比べインターネットへのアクセスは少ない?

PewInternet

3月24日、米国で発表されたインターネット医療に関する調査報告書「Chronic Disease and the Internet」が米国インターネット医療関係者に波紋を投じている。この調査は、ここ数年、米国で最も積極的にインターネットと医療に関する諸相を調査し問題提起してきたPew Internetが、California HealthCare Foundation の協力を得て実施したものだが、以下のように意外な結果となった。

  • 慢性疾患を持っていない米国成人の81%がインターネットにアクセスしている。
  • 慢性疾患を持つ米国成人では62%がインターネットにアクセスしている。

さらに、複数の慢性疾患を持つ者ほどインターネットへのアクセスは少なくなっている。

  • 一つの慢性疾患を持つ成人の68%がインターネットにアクセスしている
  • 二つ以上の慢性疾患を持つ成人では52%がインターネットにアクセスしている

上の二つの結果を合わせると、二つ以上慢性疾患を持っている成人は、慢性疾患を持っていない成人よりも、インターネットへのアクセス率はなんと約30%も低いことになる。これはたしかに衝撃的な結果だ。普通に考えてみれば、慢性疾患を持つ者の方がより医療情報ニーズは高く、インターネットへのアクセスも多いはずだからだ。 続きを読む

糖尿病ツール開発を一般公募: DiabetesMine


糖尿病患者にしてアルファ・ブロガーであるエミー・テンダリッチが主催する糖尿病ブログ”DiabetesMine“では、毎年”Design Challenge”と題するイベントを開催している。これは糖尿病患者を助ける新しいツールやサービスのアイデアを広く一般から募集するもので、今年はこの3月ー4月が応募期間になっている。

従来、医療機器や医療サービスの開発といえば何か敷居が高い印象があったが、日本でもこのように誰でも参加できる仕組みがあってもよいのではないか。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

慶応大学病院の医療情報提供サイト「KOMPAS」

KOMPAS

今月から慶応大学病院は患者向けの医療情報提供サイト「KOMPAS」 を公開している。KOMPASは疾患を解説した「病気を知る」、検査法や薬などの「医療・健康情報を知る」、最新の治療方法を伝える「最新の医療」の各コーナーに同病院オリジナル・コンテンツをアップしている。

このサイトは昨年からイントラネット経由で院内に配信されていたようだが、今月からインターネット公開に踏み切った。運営委員の加藤教授はブログで次のように述べている。

「院内での情報提供は、病院を訪れた人の最大公約数にあたるものを目標とすればということで作られたが、インターネットに接続されると、希少な疾患の情報にもアクセスしてくる人が出てくるだろう。いわゆるロングテールの部分を拡充していく必要があろう。」
「健康情報広場 医療健康情報サイトKOMPASのネット上の公開開始」MELIT )

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ワイヤレスな未来医療


今週、Intel、GE、MayoClinicが共同して在宅医療実験プロジェクトに取り組むとの発表があった。これまで「遠隔医療-在宅医療」の実験プロジェクトは米国でも日本でも数え切れないほど立ち上げられたが、さしたる成果もあげられずにいつのまにかフェードアウトしていった。今回の三者共同プロジェクトは、対象者が高リスクを持つ高齢慢性疾患患者と発表されており、これまでの遠隔医療プロジェクトとは若干趣が違うようだ。

ところでこれまで「遠隔医療」と言えば、ほとんどが「在宅医療」のことを意味していたわけだが、ここへ来てこれまでの固定観念をくつがえす新しい考え方が提起され始めている。それは「計測センサー→スマートフォン→医療機関」のような新しいデータ経路を持ち、場所と時間にとらわれない常時モニタリングを可能にする遠隔医療システムである。計測センサーとスマートフォン間はBluetoothでワイヤレス接続され、スマートフォンがセンサーとネットを結ぶ拠点となるわけだ。 続きを読む