今週、Intel、GE、MayoClinicが共同して在宅医療実験プロジェクトに取り組むとの発表があった。これまで「遠隔医療-在宅医療」の実験プロジェクトは米国でも日本でも数え切れないほど立ち上げられたが、さしたる成果もあげられずにいつのまにかフェードアウトしていった。今回の三者共同プロジェクトは、対象者が高リスクを持つ高齢慢性疾患患者と発表されており、これまでの遠隔医療プロジェクトとは若干趣が違うようだ。
ところでこれまで「遠隔医療」と言えば、ほとんどが「在宅医療」のことを意味していたわけだが、ここへ来てこれまでの固定観念をくつがえす新しい考え方が提起され始めている。それは「計測センサー→スマートフォン→医療機関」のような新しいデータ経路を持ち、場所と時間にとらわれない常時モニタリングを可能にする遠隔医療システムである。計測センサーとスマートフォン間はBluetoothでワイヤレス接続され、スマートフォンがセンサーとネットを結ぶ拠点となるわけだ。
こうなるともはや「自宅」が遠隔モニタリング拠点である必要はなく、患者がどこにいても24時間モニタリングが作動し、それらデータは医療者のみならず患者自身によってもチェックされる。医療から「場所と時間」の制限を取り払う画期的なシステムといえるだろう。
このプレゼンビデオでは、そのようなワイヤレスな未来医療のイメージが非常に分かりやすく説明されている。プレゼンターのEric Topol, M.DはThe Scripps Research InstituteのProfessor of Translational Genomics。非常に説得力のあるプレゼンだ。うまい!。
三宅 啓 INITIATIVE INC.