2008年、医療IT動向予測

sunrise

年の瀬である。今年もあと残すところ10日あまり。来年のことを言えば鬼が笑うのだが、そろそろ来年の予測なぞやってみてもよさそうである。と、思っていたところに折よく、医療IT界ウォッチャーにしてiHealthBeatのレポーターを務めるJane Sarasohn-Kahnさんが、「Get Out the Crystal Ball: Predicting What’s Next for Health IT」というネタを提供してくれているではないか。ありがとうジェーンさん。今回は、ジェーンさんの予測を頂戴しよう。 続きを読む

日本の医師SNS成功事例: MVC-online

MVC

MVC-onlineは2005年夏ローンチということだから、米国Sermoよりも一年先行していたわけで、日本の医師SNSの中でも最古参の部類に属する。サイトトップページに「医師・歯科医師限定の電子会議室MVC-onlineは、MVCメディカルベンチャー会議という現実の医療実務研究会を仮想空間にまで拡張したものです。」とあるように、先行するリアルの研究会が母体となり、ウェブ上の「電子会議室」からSNSへと進化した生い立ちが、他の医師SNSとはかなり違うところである。 続きを読む

患者体験による医療評価: HealthcareScoop.com

HealthcareScoop

患者が患者体験を語り共有し、医療機関や医師を評価するサイト「HealthcareScoop.com」が、米国ミネソタ州からローンチされた。最近、米国では医療保険会社が医療機関のコストや品質を調査しウェブサイトで公開するケースが増えている。これらは医療の透明性を高め、患者の医療選択に資するという意味で歓迎されるべきことではある。今回ローンチしたHealthcareScoop.comも、実は大手医療保険会社であるブルークロス・ブルーシールド社の系列会社であるコンシューマー・アウェア社によって運営されている。だが、一般的なコストや品質データの公開ではなく、患者体験を公開し共有するというスタイルでは、このHealthcareScoop.comが、医療保険会社関係が手がける最初のサイトとなるようだ。 続きを読む

医師向け検索エンジン: SearchMedica

SearchMedica

医療情報に特化した検索エンジンは、まず生活者・患者向けのバーティカル検索エンジンとして登場してきたわけだが、プロフェッショナル専用の検索エンジンは今まで現われていなかった。プロフェッショナルな医療情報検索と言えば、すでにPubMedのような定番的DBが存在していたためだろうか。

SearchMedicaは医師向けのバーティカル検索エンジンで、Googleのような汎用検索エンジンとは違い、信頼性が高く定評のあるサイトだけに検索対象を限定しているから、より効率的で適切な検索結果を得られる。ただ情報の信頼性という点ではPubMedを利用するのと差異はないので、なんとかして特徴となるメリットを切り出そうという努力が見られる。 続きを読む

波紋呼ぶGoogleの新規プロジェクト: Knol

knol

一昨日、12月13日、オフィシャルGoogleブログで発表された「Knol」がブロゴスフィアで賛否両論を巻き起こしている。Knolとは「知識の単位」を意味すると同時に、Googleの新しいプロジェクト名でもある。思いっきり要約すれば、このKnolは特定分野の専門知識を持つプロフェッショナルに、特定テーマの知識・情報を公開発表するためのツールを提供するものである。

しかし、「特定テーマの知識・情報を発表公開する」ということなら、既にWikipediaが存在する。そこでGoogleが新たにKnolを投入するのは、Wikipedia潰しを狙っているからではないかと指摘する声が多い。さらに、今月ベータ・ローンチが予定されているジミー・ウェールズ氏率いるソーシャル・サーチ・エンジン「Wikia」に対するGoogleの対抗措置ではないかとさえ言われている。 続きを読む