PHRマーケティングの与件整理

market

米国医療マーケティング会社「Chilmark Research」社の市場調査によれば、米国PHR市場は急速に構造転換しつつあり、今後次第にB2B(Business to Business)モデルが主流になることを予想している。「過去数週間、われわれが実施した多数のPHRベンダーへの聞き取り調査によれば、消費者から大組織へと、彼らのマーケティング焦点が変えられつつあることが決定的なトレンドであると言える。この『大組織市場』は三つの特徴的市場から成る。すなわち雇用者、医療保険、そして医療機関である。PHRベンダーは、彼らの顧客の中で、これら三つの大組織がPHR導入促進を図る上でより効率的なアプローチ先であり、広範囲だが乗り気ではないエンド消費者市場よりもこれら組織をターゲットにする方が、はるかに容易であると見なし始めている」。 続きを読む

医療分野で伸びる、生活者のソーシャルメディア利用

icrossing

インターネットで医療情報を調べたりアクセスしたりしている人のうち、34%がソーシャルメディア(Wiki、ブログ、SNS、動画共有等)を利用していることが、今月、インターネット・マーケティング会社であるiCrossing社から発表された調査結果でわかった。iCrossing社ではここ二年ばかり、金融、旅行、ショッピングなど、生活者のネット検索行動を調査してきたが、今回は医療情報に関する検索行動が調査テーマになった。

調査結果によれば、ソーシャルメディアを利用する際、生活者は「意志決定モード」の状態にあるとのことである。これは生活者が医師、医療機関、治療方法など医療を選択する時に、それぞれのコストや評判に関する情報を求めてソーシャルサイトを訪れることを示している。これらのニーズに対応するソーシャルサイトとしては、まずユーザーが医師や医療機関を格付けするようなレーティングサイトが想起される。 続きを読む

データのポータビリティ

dataportability

先週のエントリーで取り上げた「データのポータビリティ(携行性、可搬性)」問題だが、ちょうど先週、GoogleとFacebookがこれに取り組む団体「DataPortability.org Work Group.」に加盟し、さらに二三日前にはLinkedIn, SixApart, Flickr, Twitterなども続々加入を表明するなど、いささかあわただしくもにわかに問題は焦点化されつつある。 続きを読む

Health2.0注目の成長株:Xoova

Xoova

Xoova(ズーヴァ)は機能を絞った非常にシンプルな診察アポイントメント・サービスであるが、ここのところめざましい成長を見せており、昨年7月にリローンチして毎月平均70%づつページビューを増加させてきている。

「最初にXoovaが、自分自身のHealth2.0カテゴリーというものを創造したんだ」とXoovaのCEOトミー・マグロインは言う。「ウェブは、医師より前の段階に存在する第一の医療情報源なのだ。だが医療は、まだオフラインでローカルに提供されている。今日のトップ・ウェブ医療サイトは百科事典のように情報満載であるが、必ずしも行動的ではない。Xoovaの目標は意志決定領域の一部を獲得することだ。消費者が症状などの情報検索から、地元の医療提供サービスを見つけることへ移るそのときに、消費者が目指して行くべきところはwww.xoova.comになるだろう」。 続きを読む

英国NHSのITプログラムに対するHealth2.0的批判

DavidCameron

7日のエントリーで英国NHS(国民保健サービス)のPHRローンチを取り上げた。これに対して、英国保守党の党首デビッド・キャメロン氏が全面的な批判を加えたことが報道されたのだが、この批判の内容が米国のHealth2.0コミュニティでちょっとした話題を呼んでいる。意外にもキャメロン党首の批判内容が、かなりHealth2.0ムーブメントを彷彿させるものだったからだ。 続きを読む