急速にクラウド化する医療情報システム

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EHR認証問題に端を発する「EHR1.0批判」は、HHSによる「意味ある利用」による認証基準策定へと行き着いたわけだが、これら一連の動きを見て、旧来のIT企業をはじめテレコム企業からパソコンメーカーにいたるまで、雪崩をうってEMR・EHRのクラウド・コンピューティング化に着手し始めた。医療情報システムのクラウド化は、最早、誰にも止められない大きなうねりとなって医療IT業界を席巻しつつある。

9月10日のNewYorkTimesによれば、GE、IBM、Dell、VerizonなどからEHR専業各社に至るまで、EMR・EHRのクラウド化構想が最近矢継ぎ早に発表されている。従来からEHRシステムを供給してきたGEは、特に小規模医療機関のニーズが「より簡単に、より安く」へシフトしていると認識し、来年早々にクラウド版EHRをリリースするとアナウンスしている。IBMはこれまでEHRシステムを供給していなかったが、やはり小規模医療機関を対象とするクラウドEHR市場への参入を表明している。テレコム企業Verizonは医療IT企業と組み、今後数カ月のうちにクラウドEHRをリリースする。 続きを読む

TOBYOと闘病ユニバース

TOBYO_universeこの夏、日本初の闘病記専門検索エンジン「TOBYO事典」の改良に取り組んできたが、新たに開発したクローラをいよいよ今月中には運用する予定。5月から、1万件の闘病サイトを対象に200万ページの検索インデックスを作成しテスト運用を開始してきたが、今回の改良版では、対象1万5千サイト、検索インデックス300万ページへボリュームアップし、なおかつ検索精度の向上を目指している。

インターネット上に自然発生的に生成された、闘病サイト群のルースでオープンなネットワークを「闘病ユニバース」と呼んできた。これは仮想的なコミュニティと考えてもよいだろうが、TOBYO事典をはじめ、この仮想コミュニティのインフラツールとしてTOBYOを使っていただきたい。 続きを読む

消費者向けiPhone医療アプリケーションTop5

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iPhoneの消費者向け医療アプリがかなり出そろってきた。9月3日の米ABC“Good Morning America” で「Top5アプリ」が取り上げられたのでご紹介しておきたい。この「Top5」を選考したのは医師でITコンサルタントも務めるSalvatore Volpe氏で、選ばれたアプリは次のようなもの。(注:ビデオは埋め込みできないので,上記“Good Morning America”のABCサイトでご覧あれ。広告ののち本編が始まる)

  • ePocrates (free)
  • Health Cloud (free)
  • iFitness ($1.99)
  • Pocket First Aid and CPR ($3.99)
  • Restaurant Nutrition (free) 続きを読む

TOBYOのビジネススキーム

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夏から秋へ。まだまだ日中は暑いが、風や虫の音に秋を感じる日々だ。往く夏を惜しむ暇とてなく、TOBYOプロジェクトは前進していく。予定調和的なシナリオなどあろうはずもなく、方向感覚を頼りに少しずつ局面が動き変わる様を確かめながら、「向こう側」から唐突に開けてくる新たな道の可能性を吟味する。そんなことを飽きもせず延々繰り返しているわけだが、それがおもしろい。その過程では、こちらが想定していなかった新たな「気づき」を促してくれるような事々も、遠慮なく「こんにちは」と生起してくるし、また、当然それらへの「学び」が重要になってきている。つまり、トップページの姿など表面上は変化なく見えて、どんどんプロジェクト自身は変わっているのである。 続きを読む

次世代ワイヤレス患者モニタリングシステム: MBANs


米国FCC(連邦通信委員会)は、次世代のワイヤレス患者モニタリングシステム「MBANs」(Medical Body Area Network systems)の周波数帯割り当てと運用へ向けた技術とサービスの基本ルールを提議した。MBANsは当面医療施設内部での利用が想定されており、体温、脈拍、血糖値、血圧、呼吸機能などデータを、患者が直接装着する計測デバイスからワイヤレスでダイレクトに施設内ハブへ送信し、どこからでも医療者がモニタリングすることが可能になり、データをEMRに保存し医療スタッフ全員でリアルタイムに共有することができる。患者は、これまでのように接続ケーブル類に身体を拘束されることがなく、体位や移動の自由度が増す。また、計測機器類の設置場所などに患者をとどめ置く必要もなくなり、「場所の制約」から自由な医療提供が可能となり、医療品質の向上が期待できる。 続きを読む