Health2.0のマーケティング: Engage & Empower

前回のエントリで「Health2.0マーケティング」ということを述べた。変な言い方になるが、「今まで言おうとして、言い得なかったポイント」にようやくたどり着いたような気がしている。たしかにHealth2.0は、たとえば、闘病者がインターネットで医療情報を入手する方法を変えつつある。だがそれら闘病者の新しい行動を支援し維持していくためには、ビジネス基盤が創出されねばならない。

とりわけ日本の医療の場合、長年にわたり国家が計画し実行するという計画経済主義の医療制度が機能してきたために、各プレイヤーに新しい市場を開発してビジネス基盤を創造するという発想は弱かった。しかもこの計画経済主義は、しばしば誤った計画を実行してきてしまった。たとえば、ここ数年来指摘されてきた「医療崩壊」の大きな原因とされる医師不足問題だが、単純に言ってしまえば、計画立案時に医療の将来需給予測、特に医師需給予測を見誤ったということだ。そして計画し実行する権限は手放さないが、その結果の責任だけは絶対に取ろうとしない硬直した官僚制の問題であるはずだ。 続きを読む