多様性の創造

昨日の「消費者の医療観」に関連して、消費者ニーズと医療サービス提供の間のギャップがやはり問題になると思う。特に日本の場合、医療サービス提供方法がかなり画一的であり、これと消費者ニーズが相当大きくずれているのではないかと考えられる。消費者のライフスタイルや生活時間実態に医療の方が対応できず、逆に「提供者側の都合」を消費者に強いるようなかたちになっている。基本的には「消費者側の都合」に提供者側が合わせなければならないのだが、医療の場合は例外的に、従前からの対応硬直性がそのまま残されているように見える。

大衆消費社会は消費者ライフスタイルの多様性を生み出したが、流通などは新業態開発などによって、これらにいち早く対応してきた。だが、医療、金融、行政などの対応はいちじるしく遅れてきた。「24時間、365日」が当たり前になりつつあるサービス業にあって、これら業界は、いまだ「提供者側の都合」の発想から抜け出すことができないのだ。ここに大きなギャップが存在する。ギャップは苛立ちや不満の温床であり、あるいは容易に不信へと転化する。 続きを読む