日本のHealth2.0


(ビデオは、Health2.0春季コンファレンス会場でのスコット・シュリーブ氏インタビュー)

医師SNS「Next Doctors」の石見代表取締役ブログ「Next Doctors’ Diary」に、「患者中心の医療とコミュニケーションについて:講演決定」というエントリ がポストされた。来月某講演会での石見先生の講演概要について紹介されているのだが、「ご覧の通り、まだ題名と小題しか決まっていませんが、TOBYOさんなどを参考に、資料を揃えていきたいと思います。」と書かれていた。

講演主催者のサイトを見ると、次のような講義内容が掲出されている。

  1. コミュニケーションの現実~Next Doctorsでの実例
  2. 今までの患者・病院間のコミュニケーションを振り返る
  3. 米国での患者中心の医療の流れ~Health 2.0~
  4. 日本での患者間情報共有サービスの現状
  5. 医療スタッフ、病院としてトレーニングに活用していくには?

当方としては、上記の中で「米国での患者中心の医療の流れ~Health2.0~」が取り上げられているのがうれしい。おそらくこれが、日本の公開の席でHealth2.0が講義される最初の機会だと思われる。石見先生、どうぞご遠慮なく。当方ブログで講義に使えるものがあれば、どんどん使ってください。

ところで、日本におけるHealth2.0だが、そろそろムーブメントとして立ち上げていきたいものだと思う。無論、当方としてはTOBYOを起動するのが先決なのだが、新しいムーブメントと様々なビジネス起業が同時に立ちあがるような、そんなことがもし可能なら、きっと素晴らしいだろう。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

TOBYOベータ版へ向けて

TOBYO_beta

TOBYOは現在アルファ版を公開しており、様々なテストと修正に取り組んでいる。同時にベータ版の開発も進行中だが、これも近日中に完成する予定。順調にいけば、来月四月からベータ版を公開することができそうだ。また、徐々に闘病記情報の収集も進めており、来月ベータ版スタート時点で、2500点のウェブ闘病記情報を公開する予定だ。

ベータ版開発で主として注力しているのは、「TOBYOレファレンス」コーナーに置く「闘病記特化型検索機能」で、これは通常の図書館レファレンスコーナーに備え付けられている百科事典に該当するという意味で「TOBYO事典」と名付けた。手短に言えば、TOBYOで採録した闘病サイトだけを対象とする検索機能である。 続きを読む

医療とロングテール

long_tail

先週サンディエゴで開催されたHealth2.0春季コンファレンス。そのラスト・リアクター・パネルの掉尾を飾ったのは、Health2.0理論家として有名になったスコット・シュリーブ氏の「The Long Tail of Health Care」と題する総括スピーチであった。言うまでもなく「ロングテール」とは、「ワイアード」のクリス・アンダーソン氏が2004年に発表したWeb2.0時代のビジネスコンセプトである。 続きを読む

Medicine2.0

Medicine2.0Health2.0の春季コンファレンスが終わったと思ったら、今度はトロントで9月、「Medicine2.0」コンファレンス開催が発表された。コンファレンスの公式サイトもローンチされた。しかし、Medicine2.0って、Health2.0とどう違うのか?。紛らわしいではないかと、誰もが思うはずだ。せっかくムーブメントとして盛り上がり始めたHealth2.0に、水を差すようなまねはやめてもらいたいとも思う。それに「Medicine2.0」と言えば、ハンガリーの医学生Bertalan Mesko’氏がブログ「ScienceRoll」で、昨年あたりから言い始めたのではなかったか?。 続きを読む

闘病記とプライバシー

Health2.0Booklet

先週、サンディエゴで開催されたHealth2.0の春季コンファレンスは、350社の企業をはじめ消費者代表や研究機関を集め、昨秋コンファレンスに続いて盛り上がりを見せたようだ。多数のコンファレンス・レビューがブロゴスフィアにアップされているが、ここのところ当方はTOBYOの闘病記採録にかかりっきりだったので、これから徐々に目を通していくつもりだ。上の写真は、そのコンファレンスでScott Danielsonという映画制作者が発表したブックレットの一部。 続きを読む