TOBYOベータ版へ向けて

TOBYO_beta

TOBYOは現在アルファ版を公開しており、様々なテストと修正に取り組んでいる。同時にベータ版の開発も進行中だが、これも近日中に完成する予定。順調にいけば、来月四月からベータ版を公開することができそうだ。また、徐々に闘病記情報の収集も進めており、来月ベータ版スタート時点で、2500点のウェブ闘病記情報を公開する予定だ。

ベータ版開発で主として注力しているのは、「TOBYOレファレンス」コーナーに置く「闘病記特化型検索機能」で、これは通常の図書館レファレンスコーナーに備え付けられている百科事典に該当するという意味で「TOBYO事典」と名付けた。手短に言えば、TOBYOで採録した闘病サイトだけを対象とする検索機能である。

闘病者が作るウェブ闘病記には、さまざまな有用な闘病体験情報が蓄積されているが、普通、ユーザーは自分に必要な闘病記をTOBYOで探し出し、それらサイトを訪問して順に読み、必要な情報を得ることができる。だが、いちいち多数のサイト訪問をしなければならず、これはこれで骨が折れるかも知れない。そこで、もっと効率的に、有用な闘病情報を探す方法として発案されたのが「闘病記特化型検索機能」である。

ウェブ上の闘病記はあちこちに分散して存在している。ユーザーは、TOBYOからそれらサイトへ行って目的の情報を検索することはできるが、それでは闘病記の数だけ検索を繰り返すことになる。そこで、TOBYOで収集した数千のウェブ闘病記全体に対し、TOBYOから一括して検索することができれば便利である。いわば、ウェブ上にある数千の闘病記全体を、一つの巨大な「闘病百科事典」と見立て、そこから必要な情報を一発で自由自在に抽出するようなイメージを想起してもらえればよい。あるいは、ウェブ上に蓄積された闘病者の「体験集合」(Collective Experience)や、「集合知」(Collective Intelligence)を活用する機能としてイメージしてもらってもよい。

その際、たとえば例として次のような検索ワードが想定される。

  • 病院名
  • 医薬品名
  • 治療方法
  • 医療費 他

ウェブ上で大量に蓄積された闘病体験集合全体から、たとえば特定の病院で受療した闘病者が、そこで何を体験し、何を感じたかを調べることができる。これは従来「クチコミ」によってでしか知りえない情報であった。だが、ウェブ上に大量に存在する闘病体験全体の一括検索が可能になったので、従来「クチコミ」でしか伝達されなかった情報も可視化できるのだ。さらに、闘病体験情報集合の量が充分に大きければ大きいほど、検索機能「TOBYO事典」はより一層詳細に、「闘病者の目を通じた現在の日本の医療現場像」を可視化するパワーを持つことになるだろう。

その意味では、今後TOBYOは、ウェブ上の闘病記をできるだけ多く収集しなければならないと考えている。当面、四月時点で「日本の闘病記2500」をスローガンとしスタートするが、可及的速やかに、5000へ、さらに10000へと増やさなければならない。

「ウェブ上の闘病体験集合を可視化する検索エンジン」である「TOBYO事典」。全力でチャレンジしてみたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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