TOBYO収録闘病サイト数、5000件を越える

トップページの表示は以前のままだが、昨日(6月18日)の時点で、TOBYOの収録闘病サイト数は5000件を越えた。また、「TOBYO病名データベース」に採取された病名数は現在434件で、そのうちサイト収録済みの病名は392件。現在、TOBYOでは「がん、良性腫瘍」分野の闘病サイトだけを対象とするバーティカル検索をテスト運用しているが、同時に、これを全病名へ拡大する準備を進めている。

日本の闘病ネットワーク圏にはたしてどれくらいの数、闘病サイトが存在しているかはまったく定かではないが、とりあえず1万サイト程度を可視化できた時に、その全体像の輪郭といったものが現われてくるのではないかと思っている。だが、今の時点でも確実に言えることは、この闘病ネットワーク圏が日々膨張しつつあるということだ。これら膨張し続ける「闘病体験情報のミクロコスモス」から、ユーザーが必要な情報を迅速に取り出すことができるように、TOBYOは努力を続けていきたい。 続きを読む

われわれが考える医療ウェブサービス

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今年は当方のTOBYOをはじめ、日本でいくつか従来にない方向性を持った医療ウェブサービスが登場して来ている。今後、さらに新しいサービスがどんどん登場し、シーンが活性化することをまず期待したい。そして、いくつか登場してきた新しいサービスを興味深く見ているうちに、TOBYOの立ち位置や目指すべき方向性について、新たに気づかされることも多い。

それら「新たに気づくこと」は多岐にわたるが、その中で一番重要なポイントを挙げるとすれば、それはわれわれがTOBYOに込めた「こだわり」を再確認させられた、ということになるだろう。その「こだわり」とは、闘病サイト、およびそれらによって形成された闘病ネットワーク圏に対する、われわれの強い「こだわり」である。別の言い方をするならば、われわれは日本の医療ウェブ分野で起きている、闘病者の行動によってもたらされた「ネット的な現象」に対して、かなり強い「こだわり」を持っていると言えるだろう。この「こだわり」の強度によってわれわれのTOBYOは、自然に、よそとはかなり異なる位置に立っているのかもしれない。 続きを読む

闘病記と時間

TOBYOベータ版公開時に作ったプレゼンスライドだが、あそこに、闘病者がネット上で自然発生的に形作ってきた「闘病ネットワーク圏」を「宇宙」になぞらえたページがある。実はそれには二つの意味があった。

ひとつは「闘病ネットワーク圏」の空間的な把握の仕方であり、広大なネット上に分散する闘病サイトが、ところどころで同病コミュニティの「星座」を作ったりしながら、その全体が、あたかも見上げた星空に浮かび上がる星図のように見えることを意味している。二つ目に、これら広大な空間に分散する闘病サイトが、実は別々の時間における体験を記録しており、同一空間にありながらそれぞれ固有の時間に属しているという時間的把握の問題がある。 続きを読む

世界へ

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春先に出た海部美知さんの「パラダイス鎖国—忘れられた大国・日本」は多方面で話題になっているが、当方も一読し様々に考えるヒントをいただいた。しかし先週、ある席でTOBYOの今後の計画について、「当面、TOBYOのバーティカル検索対象を、全病名、闘病サイト5000、インデクシング100万ページへ持っていくことに注力したい」と説明したところ、「ではその後、世界へ出て行かれるのですね」とのお言葉を頂戴した。それは正直のところ、当方がまったく予期せぬ質問であった。では、なぜ予期していなかったのかと言えば、まさに当方自身が「パラダイス鎖国」の住人でありその発想に囚われていた、というほかない。 続きを読む

選択の自由

先週は雑事であわただしく過ごし、ブログの方もおろそかになってしまった。なんだかんだと言っているうちに6月に入り、しかも今日は梅雨入りの可能性まで天気予報で言われている。夏はもうすぐだ。

夏へ向けてわれわれが取り組まなければならないのは、まず、TOBYOの全文検索を全病名へ拡大することである。これができた段階で、名実ともにTOBYOはベータ版となる。春先、アルファ版の段階では、会う人から異口同音に「TOBYOは、結局、闘病記のリンク集なのか?」と言われていた。あの段階では、たとえ闘病記の収録数は大きいとしても、たしかに「リンク集」と言われてもしかたない状態であった。それに闘病記のリンク集なら従来からいくつか存在したし、今後も出てくるだろうが、結局、ある地点まで行ってしまえば「リンク集のジレンマ」とでも言うべき問題に直面するとも思っていた。 続きを読む