闘病者の知識と体験をどう活かすか

autumn08

なんだかんだと言っているうちに2008年も12月である。これからやらなければならない仕事が多すぎて、「今年はこうだった」などと回顧するにはまだ早すぎる。春先からどっと仕事が押し寄せ、気がつけば秋も深くなっていたような、そんな味もそっけもない一年であった。だが一方、ひたすら闘病サイトに多数接してきて、そこから多くのことを学ぶことができたのは幸いであった。TOBYOのコンセプトやビジョンを、どんどん豊富化し修正していくことができたのも、それら闘病サイトから膨大な暗黙知を学び取ることができたからだ。

マーケティングの世界では「市場のことは市場に聞け」という格言がある。机の上であーだこーだと何時間も議論するよりは、売り場へ足を運び、そこでどんな客がどんな様子で商品を選択しているかを実際に目で確かめるところから出発すべきだという戒めの言葉である。その意味では「闘病サイトのことは闘病サイトに聞け」ということになる。1万件以上の闘病サイトに接してみると、インターネットという空間に、まったく新しい可能性を持った闘病者の活動と成果物が次々に生み出されていることを実感できたのである。 続きを読む

バーティカル検索エンジン「TOBYO事典」正式公開延期のお知らせ

目下、闘病記だけを検索対象とする初のバーティカル検索エンジン「TOBYO事典」の開発を進めているが、予定していた12月1日正式公開は12月15日へ延期することになった。その代わりと言ってはなんだが、本日から、これまでテスト運用してきた「TOBYO事典」の全文検索対象サイト数を、暫定的に2061サイトに拡張したのでお試しいただきたい。15日にリリースする正式公開版は、TOBYO収録の1万を越える全サイトを検索対象にする。

約1万件にのぼる闘病サイトのインデクシング作業は先月すでに終了しており、これは全部で約100万ページに達する。ただ検索エンジン自体の最終調整が予想以上に手間取ったために、余儀なく公開延期せざるをえなくなった。 続きを読む

優先するものは何か

一昨日、ある新聞社の求めに応じて取材に協力し、TOBYOの資料などを送った。だがメールをよく読みなおすと、予定されている記事は「患者SNSの紹介」とある。もちろんTOBYOは患者SNSではない。担当記者と話してみると、なんとDIPEXを患者SNSと勘違いしていたので驚いた。

この件についていろいろな想念が頭をよぎったが、本格的な患者SNSがまだ日本に登場していないので、具体的なイメージがつかみにくいということか。世界中で患者SNSは立ち上げられているが、日本ではまだこれから登場するのを待っている段階だ。 続きを読む

検索エンジン公開とTOBYOのミッション

現在、1万件の闘病サイトを自由自在に全文検索するための検索エンジン「TOBYO事典」の開発を進めているが、公開まであと少し。本来なら先月公開を予定していたのだが、予期せぬ問題がいくつか生起し、今月末へとおよそ一か月は遅れてしまいそうだ。だが、あと少しである。

検索エンジン「TOBYO事典」の正式公開とフル稼働によって、当初予定していたTOBYOの基本的な機能は完成したことになる。現時点で改めて見てみると、登録ユーザーがネット上で闘病情報を収集整理するためのツールなども具えているのだが、やはり「闘病ネットワーク圏を可視化する」ための機能、つまり闘病サイトの索引情報機能、そしてそれら全サイトの全文検索機能の二つが、TOBYOのコア機能であることを再確認できた。あとは外部との連携プラットフォームを付加することになる。 続きを読む

「Onlife×TOBYO」交歓ランチョン

Onlife×TOBYOリニューアルオープンしたOnlifeを開発された株式会社ヨセミテの津田社長、塚田副社長、高橋プロデューサー、秋田さんの皆さんが、本日、当方へご来訪。秋晴れのお昼時。新宿御苑横のレストランでランチをいただきながら交歓。(写真)

「パブリック」という問題意識をきちんと持った集団が、日本で新しい医療情報サービスにチャレンジしようとしている。単純にこのことが嬉しいし、素晴らしい。 続きを読む