検索エンジン公開とTOBYOのミッション

現在、1万件の闘病サイトを自由自在に全文検索するための検索エンジン「TOBYO事典」の開発を進めているが、公開まであと少し。本来なら先月公開を予定していたのだが、予期せぬ問題がいくつか生起し、今月末へとおよそ一か月は遅れてしまいそうだ。だが、あと少しである。

検索エンジン「TOBYO事典」の正式公開とフル稼働によって、当初予定していたTOBYOの基本的な機能は完成したことになる。現時点で改めて見てみると、登録ユーザーがネット上で闘病情報を収集整理するためのツールなども具えているのだが、やはり「闘病ネットワーク圏を可視化する」ための機能、つまり闘病サイトの索引情報機能、そしてそれら全サイトの全文検索機能の二つが、TOBYOのコア機能であることを再確認できた。あとは外部との連携プラットフォームを付加することになる。

結局、TOBYOは内部にリソースを抱え込んで自己完結するような単独サービスではなく、闘病ネットワーク圏という外部リソースを前提にしたインフラツールなのである。つまり、闘病ネットワーク圏に依存し、闘病ネットワーク圏を生存与件としているのであり、できれば闘病ネットワーク圏の一部と見てもらい、一体化したツールとして使ってもらいたい。今後、闘病ネットワーク圏が豊かに成長していけばいくほど、TOBYOが活躍するチャンスは増えその利用価値は高まるだろう。そのような共存共栄の関係ができることを、TOBYOは目指さなくてはならない。

立ち止まってこれまでを振り返ってみると、はじめweb2.0に触発され、2.0的な機能を医療分野で提供することを目指して来たのだが、その過程で闘病ネットワーク圏というビジョンを持つことによって、TOBYOのミッションは非常にシンプルに明確になったと思う。

闘病ネットワーク圏を構成する個々のサイトは、自然発生的に分散して存在し、自分たちが闘病ネットワーク圏のメンバーであるという積極的な自覚も意識もないだろうが、少なくとも「自分の知識、体験を誰かに伝えたい」との共通した目的でサイトを公開している。これら分散した知のネットワークを分散したまま活用すること。TOBYOはそのためのツールなのだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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