相当怪しい「医療2.0論」

海外ではHealth2.0に代表される新しいムーブメントが医療の分野で起動しつつあるが、日本ではそのような動きは今のところない。Health2.0関連の日本語の情報自体がまだ圧倒的に少ない。そんな中で、偶然、薬事日報ウェブサイトで「医療2.0≪医療とWEB2.0≫」という連載コラムが始まることを知り、期待して読んでみたが・・・・・。

師曰く、「期待は失望の母である」。 続きを読む

Google資本の遺伝子ベンチャー「23andMe」

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春先に「Googleが遺伝子ビジネスへ進出か?」と話題になった“23andMe”だが、その概要が明らかになった。春の段階では、このベンチャー企業の共同ファウンダーのAnne Wojcicki氏がGoogleのSergey Brin氏の妻という点に関心が集まりがちで、肝心のビジネスとしてのその実態は一向にはっきりしないままであった。そして先月12日、ニューヨークで開催されたバイオテック企業にして”23andMe”のパートナー企業でもあるllumina社の「アナリスト・デイ」席上、ようやく”23andMe”がめざすビジネス概要が明らかになった。 続きを読む

Health2.0の爆発とGoogleHealthの蹉跌

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その後もHealth2.0コンファレンスのインパクトを受けて、多数の次世代医療をめぐる論考がブロゴスフィアを賑わせている。昨年から徐々に下地は準備されていたのだろうが、コンファレンスでそれは臨界点に達したかのようである。まさに一つの待ち望まれたムーブメントがようやく姿を現し、常に「ステイタス・クォ」へと傾斜し続けてきた医療業界の「常識」や「医療観」を揺さぶり、巨大な社会的イナーシャを獲得しながら前進している。 続きを読む

起業家医師

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医師やめますか?企業家やめますか?

最近、「今後」について、問われることが多くなってきました。
取引先、友人、先輩、尊敬している企業家、そして親。

曰く、「医師はやめるのか?企業家として生きていくのか?(Next Doctors’ Diary)

今月、注目の「NextDoctors」を立ち上げた起業家にして医師である、株式会社メディカル・オブリージュ石見さんの言だが、今までにない新しい生き方を選択したことが、周囲から胡乱な眼で見られているのか。 続きを読む

「プロフェッショナルSNS」の考察

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先週のエントリー(医師SNSのSermoがFDA(米国食品医薬品局)と提携)を書いた後で、医療SNSをめぐり、いくつか気になるポイントが頭に浮かんだ。それを整理してみると、どうやら二つの問題に集約されそうだ。そのうちのひとつは「SNSの新しい展開の可能性」。そしていまひとつは「観察と調査」の問題である。

このブログでもかなり紹介してきたが、ここ一年くらいの間に米国では医療者SNSが多数出現した。だが、Sermoなどを考えてみると、これまで一般的にSNSと称されてきたサービスとは性格がだいぶ違うような気がする。従来のSNSは、いわば「お友達ネットワーク」という性格を持ち、主として社交の場をネット上に提供するものであった。 続きを読む