ゲンバッテください!

BIDM(Beth Israel Deaconess Medical Center in Boston)のポール・レヴィ院長のブログ「Running a hospital」を読んでいると、最近、「Gemba」という言葉がしきりに出てくる。「Gembaって何だぁ?ジェンバと読むの?」と、はじめは首をひねって読み流していたのだが、何度も目にしているうちに、次第に語のコンテクストから、「これは、ひょっとしてゲンバ(現場)か!」と類推するにいたった。 続きを読む

慢性疾患のDMポータル


慢性疾患のDM(ディジーズ・マネジメント)ポータルのプレゼンビデオ。この「DMポータル」を手がけたのはZaneNetというベンチャー企業だが、NIH(国立衛生研究所)とハワード大学(ワシントンDC)の共同プロジェクトの一環として開発されたようだ。

慢性疾患の患者と医療者をダイレクトに結び、疾患管理のためのツール群をワンストップで患者に提供しようという狙いらしい。なるほど、疾患管理に必要と思われるツールはほぼ網羅されて「天こ盛り状態」なのだが、どうも総花的でコアになるベネフィットが判然としない。見ていてお腹いっぱいになるのだが、結局、さしたる印象も残らないのはいったい何故なのか。 続きを読む

700エントリ目の所感: Consumer-Driven Healthcare

先週、発熱して一日寝込んで以来、体調があまり良くない。週末は外出をやめて自宅で休養に徹することにした。ブログも三日ほど休んだが、実はこのエントリで700回目を迎えることになる。2006年の暮れにブログを始めて以来、主として「海外ブログを読み、考え、ブログを書く」ということを延々と繰り返してきたわけだが、やっているうちに、この方法が非常に生産性の高い学習方法であることがわかった。従来の書籍・新聞・雑誌を手掛かりに個人メモを書く方法に比べると、おそらく知的生産性は数十倍以上になるだろう。 続きを読む

一日だけの闘病

今朝起きると頭が割れるように重く、身体はコントロールを失いふらつくありさま。体温をはかると38.1度であった。ひたすら安静にして熱が下がるのを待ったが、体温はその後も上昇し38.7度に達した。39度になったら医者へ行こうと考えたが、「ひょっとして新型インフルエンザか?」という懸念も頭をもたげてきたのである。「闘病記を書かないとなあ」などと考えもした。だが昼頃に発汗があり、熱は下がり始めた。さっき(15時)はかってみると37.5度。山は越えたようだ。新型インフルエンザではなく、ただの風邪だったようだ。 続きを読む

日本のHealth2.0経済圏の創造へ向けて

昨日、ある大学医学部の先生からメールを頂戴した。見ると、TOBYOプロジェクトが事業としてどのように持続していくのかについて、率直な感想や質問が書かれていた。たとえばTOBYOに広告バナーが貼られていないのは清々しいが、一体、売上はどうなっているのかなど、まことにごもっともなご質問である。実はこのような質問は、これまで様々な方々からしばしば頂戴している。中には、真剣に深く心配までして下さる方もおられ、恐縮の至りである。

TOBYOのビジネスモデルについて、このブログでは何度か考え方や方向性は述べてきたのだが、具体的なディテールまで説明したことはなかった。構想はいくつもあり検討も進めてはきたのだが、いかんせん「いまだ機は熟さず」という思いが先に立ち、計画を立案し行動するまでには至らなかった。ではいつになったら「機が熟す」のかと言えば、収録闘病サイト数が1万5千サイトを超え、バーティカル検索エンジンで全文検索できるサイトが1万サイト以上になった時だと決めていた。そしてようやく最近になって、これらの条件はクリアされたのである。すなわち機は熟した。いよいよビジネスモデル構築へ向け本格的に動き出す時だが、それに関連して次のようなことを考えている。 続きを読む