慢性疾患のDM(ディジーズ・マネジメント)ポータルのプレゼンビデオ。この「DMポータル」を手がけたのはZaneNetというベンチャー企業だが、NIH(国立衛生研究所)とハワード大学(ワシントンDC)の共同プロジェクトの一環として開発されたようだ。
慢性疾患の患者と医療者をダイレクトに結び、疾患管理のためのツール群をワンストップで患者に提供しようという狙いらしい。なるほど、疾患管理に必要と思われるツールはほぼ網羅されて「天こ盛り状態」なのだが、どうも総花的でコアになるベネフィットが判然としない。見ていてお腹いっぱいになるのだが、結局、さしたる印象も残らないのはいったい何故なのか。
大昔、「eヘルス」などと言っていた時代には、これに似た企画をずいぶんたくさん見たような気がする。あれからかなり時間がたったが、結局「天こ盛り」企画のうち、実現されて継続しているものなど一つもないのである。それにこれは個人的好みの問題でもあるが、当方、そもそも「ディジーズ・マネジメント」という発想が気に食わない。このDMというものは基本的に「コマンド&コントロール」の発想に基づいており、患者・消費者の視点とはまったく逆に位置するものだと思うからだ。これでは患者・消費者の医療ニーズを正確に理解することはできないのだ。
三宅 啓 INITIATIVE INC.