TOBYOプレゼンテーション in Health2.0 SanFrancisco2010

 Health2.0SF2010

2007年以来、毎年秋にサンフランシスコで開催されてきたHealth2.0コンファレンスだが、今年も10月7日-8日の両日、ヒルトン・サンフランシスコで開催される。特に今回のコンファレンスでは、私たちのTOBYOおよびDFCのプレゼンテーション実施が決まったのでご報告したい。

今回プレゼンに至る経緯だが、先月、石見社長のブログを見てメドピアさんがHealth2.0コンファレンスでプレゼンされることを知った。(「Health 2.0 San Francisco 2010での講演決定」)。これを読んで「うちのTOBYOもプレゼンしたいものだなあ」とは思ったが、時期がDFC開発真っ只中でもあり、これは断念せざるを得ないと一度は諦めた。しかしその後、当方パートナーである㈱メディカル・インサイトの鈴木さんが同コンファレンスに参加されると聞き、「それなら鈴木さんにプレゼンしてもらおう」とお願いした次第である。そして㈱メドピアの比木COOから米国Health2.0のマシュー・ホルト氏へ取り次いでもらったところ、「今からエントリーするには遅いが、とりあえずプレゼンファイルを送れ」主旨の回答があった。そこで、Health2.0TokyoChapter2で使ったプレゼンファイルを鈴木さんに翻訳&編集してもらい、先方に送付してOKの返事をもらったというわけである。 続きを読む

DFCとブログ・マーケティング

Direct From Consumer

猛暑来襲。暑い、熱い、あつい。

この暑さの中、DFC(Direct From Consumer)の開発に取り組んでいる。9月中にはアルファ版完成を予定。先週エントリで「ブログ・マーケティング」について考えてみたが、春先からDFCの仕様をあれこれ検討しているうちに、自然と当方なりのブログ・マーケティング観というものが次第に焦点を結びつつある。他のブログ・マーケティング関連サービスとはかなり違うものになるかも知れない。

これまで既に稼働しているブログ・マーケティング・サービスやツールを見ると、ウェブ上の流行現象の盛衰、伝播パターン、キャンペーン効果等をいかに時系列把握するかがテーマになっているケースがほとんだ。この点、医療においては消費財のようなファディッシュな流行現象というものは考えにくい。

だからDFCでは、時系列で複数ブランドの出現頻度をトレースするような必要はあまりない。また、関連ワードによって特定ブランドやプロダクトネームに対する好意度解析をするケースも多いが、DFCではこれもあまり重要ではないと考えている。医薬品、医療機器のプロダクトネームを「好き、嫌い」で評価してもあまり意味はないからだ。医療機関に対しては好悪評価の余地はありそうだが、これもよく考えるとさしたる意味を持つとは思えない。 続きを読む

夏、EHR、そしてTOBYO

ShakujiiKoen_2010summer

先週、梅雨明け。三連休。墓参、読書、音楽。いきなりの酷暑。蝉、鳴き始める。いよいよ本格的な夏。

先週、7月13日、米国政府はEHR導入促進プログラム”HITEC Act”の「意義ある利用」ルールのファイナル・バージョンを公開した。同時にONC(The Office of the National Coordinator for Health Information Technology)のデビッド・ブルーメンソール局長は、同日付“The New England Journal of Medicine”にこのファイナル・バージョン要約と解説を発表している。昨年来、米国医療IT業界を震撼させたこの「意義ある利用」問題にも、やっと一応の決着がつけられたことになる。

一方、日本のこれまでの医療情報化議論というもの振り返ると、総じて「極めて低調であった」としか言いようがない。例によって何度も役所主導の「検討会」が編成されたはずだが、何一つ社会的コンセンサス形成を果たした形跡はない。おそらくアジェンダ設定に問題があったのだろう。

やはり先週、TOBYOの収録サイト数は2万2千サイトに達した。最近の闘病ユニバースだが、ウェブ上で闘病体験を公開しようというユーザーの意欲は今年に入ってますます高まっているような気がする。当初、その規模をおよそ三万サイトと推定した闘病ユニバースだが、その後、規模は膨張していると見て間違いないだろう。ブログで自分の闘病体験を社会的に公開することは広く定着してきている。またツイッターで体験を公開する闘病者も増えているが、これらをTOBYOプロジェクトでどう扱うかは今後の課題である。 続きを読む

Kindle版のHealth2.0電子ブックレット登場

Health2.0_booklet

オランダから世界初のHealth2.0ブックレット”A Little Booklet About Health 2.0″が電子出版された。米アマゾンのキンドル・ストア でダウンロード購買できる。キンドルを持っていない人も、PC、MAC、iPhone、iPadなど手元のデバイスにKindleソフトをインストールすれば即座に読める。

あらためて気がついたのだが、そういえばこれまでHealth2.0関連書籍は、まだどこからも出版されていなかったのだ。それに米国からならわかるのだが、オランダからHealth2.0本が世界で初めて出たというのも面白い。もともとオランダは、ヨーロッパで最も熱心に医療ITシステムに取り組んでいるとの定評があった。またここ2年ほど、オランダではHealth2.0アンカンファランスが活発に開催されてきている。ヨーロッパでHealth2.0受容が一番進んでいるのがオランダだと言えるだろう。

著者はRadboud University Nijmegen Medical CenterのLucien Engelen氏。氏はこの電子ブックレット発売と同時に、論文「Definition of Health 2.0 and Medicine 2.0: A Systematic Review」を”The Journal of Medical Internet Research”に発表している。こちらもチェックして欲しい。 続きを読む

医療情報バーティカル検索エンジン:メドクロス

medcross

ウェブ上で「医療垂直検索エンジン『メドクロス』のサービスを開始~医療情報を調べる為の専門特化型検索エンジン~」とのリリースを見たので、さっそくサイトを拝見した。一年ほど前から、Googleサイトサーチを利用して医療情報バーティカル検索をめざすサイトであることは知っていたが、とうとう正式デビューしたようだ。

このブログでは、従来からたびたび医療情報のバーティカル検索エンジンの重要性を強調してきたわけだが、たとえば「医療情報」でユーザーを釣っておいてAdsenseへ誘導するだけが目的のような「テンプレサイト」を除外し、信頼性のある情報ソースへ最短でアクセス出来るようになれば闘病者・消費者のメリットは大きい。その意味で、このメドクロスなど医療情報バーティカル検索エンジンの存在価値は高いのである。

というわけで期待は大きかったのだが、いざ使ってみるとどうもまだ調整中のようだ。いくつか検索を試してみたが、特定の医薬品検索サイトの薬剤情報しか表示されなかった。ソースを絞るのは良いのだが、これでは絞りすぎだ。この検索サービスはGoogleサイトサーチのサイト内検索と、汎用検索エンジン検索結果を編集した表示画面との二層構造になっているように見えるが、前者はソースが極端に少数限定され、後者はソースの信頼性が今ひとつのように感じた。だがいずれ、きっとこれらは改善されるのだろう。今後を待ちたい。 続きを読む