医療情報バーティカル検索エンジン:メドクロス

medcross

ウェブ上で「医療垂直検索エンジン『メドクロス』のサービスを開始~医療情報を調べる為の専門特化型検索エンジン~」とのリリースを見たので、さっそくサイトを拝見した。一年ほど前から、Googleサイトサーチを利用して医療情報バーティカル検索をめざすサイトであることは知っていたが、とうとう正式デビューしたようだ。

このブログでは、従来からたびたび医療情報のバーティカル検索エンジンの重要性を強調してきたわけだが、たとえば「医療情報」でユーザーを釣っておいてAdsenseへ誘導するだけが目的のような「テンプレサイト」を除外し、信頼性のある情報ソースへ最短でアクセス出来るようになれば闘病者・消費者のメリットは大きい。その意味で、このメドクロスなど医療情報バーティカル検索エンジンの存在価値は高いのである。

というわけで期待は大きかったのだが、いざ使ってみるとどうもまだ調整中のようだ。いくつか検索を試してみたが、特定の医薬品検索サイトの薬剤情報しか表示されなかった。ソースを絞るのは良いのだが、これでは絞りすぎだ。この検索サービスはGoogleサイトサーチのサイト内検索と、汎用検索エンジン検索結果を編集した表示画面との二層構造になっているように見えるが、前者はソースが極端に少数限定され、後者はソースの信頼性が今ひとつのように感じた。だがいずれ、きっとこれらは改善されるのだろう。今後を待ちたい。

ところでネット上の医療情報をめぐっては、従来からノイズやクラゲサイトの繁殖に多くの批判があがっていた。またこれに関連する形で、一方では、「正しい医療情報を守れ」みたいなことを言うNPOさえある。この自称「正しい医療情報」啓蒙NPOは、最近ついに医療広告規制を声高に主張し、不正広告を監視密告する動きさえ見せており、さらに「広告規制強化」を求めて役所をつつきかねない始末だ。これは明らかにウェブ上の自由な情報活動に対する反動であり、このような「正しい医療情報」をめぐる過剰反応は極めて危険な動きでさえあるだろう。

規制強化による取り締まりではなく、このメドクロスのようなバーティカル検索エンジンやフィルタリング機能の開発によって、技術的にテンプレサイト等をバイパスし、確かな情報へ最短でたどりつけるようにするのがウェブの発想である。また、テンプレサイトの若い人達にも言いたいが、そのような知恵と技術の開発次元で、新しいサービスモデルやビジネスモデルを作ることに挑戦してはどうか。(追記:若いくせにAdSense徒食者になるな!)

ともあれ以上のような意味合いで、このメドクロスにはがんばっていただきたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


医療情報バーティカル検索エンジン:メドクロス” への1件のコメント

  1. 三宅 啓様.
    メドクロスに言及頂きとても光栄に思っております。
    メドクロスは、ゆっくりとですが、少しでも医療の在り方を良い方向へ向かわせるお手伝いができればと思い、開発、改良を行ってきました。
    今回、公知する際、機能の確認が不十分であり、謂わば壊れた状態でプレスリリースしてしまったことは慙愧に堪えません。謝罪リリースも検討しましたが、言い訳じみることも良しとせず、機能の確認と自サイトでの不都合のお知らせをすることを考えております。

    今後も、「助けたい人がいる、つまり、患者、患者の家族、友人」等が使える、欲張って言えば使えるサイトを作りたいと思っています。

    ビジネスモデルは未だ見えませんが気にしてはいません。できる限り、社会的な恩返しができればと思いつつ、病院の疲弊と医師の困窮を改善できればと思っています。今後、益々のご意見を賜れば幸いです。

    提橋 

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