街中がサウナになってしまったかのような猛烈な蒸し暑さだ。地面から水蒸気が立ち上っているのが見えるような気さえする。だが、新宿御苑の近辺まで来ると爽やかな冷気が吹いてきて、都心にあって「森の力」を実感したりする。こんな季節になると、とにかく美味しそうに冷えたビールがやたらと恋しくなるが、目下当方、慢性疾患(痛風)改善へ向け生活スタイルを変えているところであり、「常にビールのある生活」も遠のいてしまい残念。
さて、「闘病者の声をダイレクトに伝える、新しいWebアプリケーション」として開発を進めている「TOBYO_dfc」だが、ようやく仕様が最終的にかたまり、この夏中にはアルファ版を完成させてしまいたい。およそのスケジュールとしては、10月頃から年内いっぱいはアルファ版のテスト運用期間とし、来年早々には本稼働に持っていくようなイメージを描いている。
「dfc」はTOBYOのB2Bプロジェクトであり、まず製薬会社のマーケティング活動に活用してもらいたいと考えている。これまでとらえにくかった「薬剤のエンドユーザー利用実態」を、「dfc」は闘病者が自発的に作成公開したドキュメントから直接可視化する。病気治療で多数の薬品に接する過程で、闘病者たちはどのように薬品名を認知し、どのような製品体験を経験し、どのような印象や感想をネット上で交換しているかなど、エンドユーザーの実際の「生の声」を克明に把握することができる。これら「生の声」を自社の製品と戦略の改善に活かしてもらい、より闘病者、消費者のニーズに沿った医薬品開発が進められることを期待したい。
「dfc」は当初、個別薬品ごとのレポートのような商品形態を考えていたが、その後、何回もディスカッションを経る中で、徐々にViewing機能を提供するアプリケーションへとその姿は変わってきている。将来は、レポート配信のようなものもありうるかもしれないが、当面、「dfc」は検索エンジンを高度化した方向をめざし、「拡張検索エンジンとディスティラー(蒸留器)」という二本のツール構成になる。
アルファ版で収録予定している病名は、TOBYO収録100サイト以上の病名に薬品市場で重要視されているものを合わせ、60-70件程度を予定している。「dfc」は年間基本料金でこれらデータを無制限で利用でき、ユーザー企業あたりのアカウント制限もない。「dfc」に年間契約してもらった製薬企業には、開発部門、MR、広報にいたるまで、全社で自由にご利用いただきたいと考えている。
また将来、「dfc」は学術研究を目的とした利用に対し「アカデミック・パック」のような廉価版の提供も検討している。
三宅 啓 INITIATIVE INC.