いよいよ7月4日から、dimensionsサービス開始

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紫陽花もそろそろ盛りを過ぎた。もう来週から7月だ。今年も半分が終わろうとしている。年明けから、初の闘病体験リスニング・ツール「dimensions」開発の最終段階の仕上げにとりかかってきたが、いくつか技術的な難問に直面しながらもなんとかこれらを乗り越え、やっとようやく来月からのサービスインが見えてきた。

この半年間に、リサーチ・イノベーションやソーシャル・リスニングなどの考察を通じ、dimensionsという、この全く新しいツールの今日的意義や果たすべき役割などについて、理論的基礎固めができたと思う。またTOBYO本体も可視化領域は約2万9千サイトに達し、当初の目標であった3万サイト可視化まであと少しのところまで来た。言うまでもなく、TOBYOの可視化領域の広さが、dimensionsのツール・パワーの源泉なのである。

今日は日曜日だが、最終段階に来たdimensions開発ミーティングを実施。7月4日(月)からのサービスイン開始を確認した。これにともない、4月からさまざまな方々にモニターしてもらっていたdimensionsデモバーションは、7月1日をもってテスト終了となる。

今後dimennsionsは、主として医療関連分野の企業ニーズに応えながら、さらに新規サービス領域の共同開発、応用分野の研究プロジェクトなど多方面の多様なニーズに対応し、できるだけオープンにコラボレーションする機会を作っていきたいと考えている。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

Google Healthはどうなる?

Shadow

昨日、久しぶりに新宿御苑を散策した。例年ならこの時期、花見客で混雑するのだが、寒風が吹き渡る苑内の桜はまだほとんど開花していなかった。地震のせいでもあるまいが、今年の春は遅い。それでも苑内を歩き回ってみると、春の息吹をあちこちに感じ取れた。そして今朝通勤途上、新宿御苑の遊歩道を歩いていると春風が頬を撫でた。たった一日で季節が変わったのだ。

来月4月4日、Googleはエリック・シュミットに代わり、共同ファウンダーの一人であるラリー・ペイジがCEOに就任する。このことによって、GoogleHealthが事業縮小されるのではないかと米国では言われ始めている。3月26日付Wall Street Journalに掲載された記事”At Google, Page Aims to Clear Red Tape” によれば、ラリー・ペイジはGoogleの官僚化した組織とプロジェクトを見直し、スタートアップらしさ、つまりベンチャー精神を取りもどしたい意向のようだ。

あのGoogleでさえ、ここ10年ほどの成功体験によって組織内部の官僚化や保守化が起きているのかと驚くが、たとえファウンダーが現場復帰しても、再び創業時のベンチャー精神を取り戻すのは容易ではないだろう。それにしても、その事業見直しでGoogleHealthが矢面に立たされている。残念なことだが、ある意味では当然の成り行きかもしれないと言われている。 続きを読む

TOBYO収録の乳がん闘病サイトが2,000件に

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本日、TOBYO収録の乳がん闘病サイト件数は2,000件を越えた。これで2,000人の乳がん体験者の貴重なドキュメントを、誰でも、いつでも、どこからでも、即座にアクセスし、読むことができるようになった。この文字通り国内最大の乳がん体験データベースを、患者と家族をはじめ、様々な関係者の方々の活動にどうか活用していただきたい。

TOBYOプロジェクトは「ネット上の全ての闘病体験を可視化しアクセス可能にする」とのミッションのもとに、引き続き闘病体験データの構造化に取り組んでいきたい。すでにTOBYOは2万5千件を越える闘病ドキュメントを可視化しているが、ワイドでオープンなウェブの特徴を活かし、より利便性の高い闘病体験データベースへの進化を目指している。

その一つの取組みが、今年公開する新規サービス「dimensions」(ディメンションズ)である。昨年末に基本システムは完成し、現在、数百万ページのTOBYO検索インデックス・データを処理している。これによって闘病体験を薬品、医療機関、治療法などの各次元(ディメンションズ)にスライスし、次元ごとの固有名詞をキイとして、膨大なデータを効率的に利用出来るようになる。今までにないこの新しいツールによって、患者が体験した事実に基づく医療改善が可能になると期待している。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

TOBYOプロジェクトの現在

11月最後の日曜日。今月を振り返ると、医療情報に関する話題が多かったような気がする。日本語圏ウェブにおける医療情報の現状は、まさに「悪貨は良貨を駆逐する」ような状況にある。全体として医療界や行政などから配信される医療情報の絶対量が不足しており、根拠の定かでない情報が圧倒的に多い。ネット上の医療情報の不確かさに注意喚起するだけでなく、とにかく医療界および行政側の医療情報配信の量的拡充が望まれている。そんなことを強く考えさせられた。

さて今月、TOBYOの収録疾患数は1000件を越え、乳がん闘病サイトの収録件数は1800件を越えた。国内で1800人の乳がん体験へアクセスできるのはTOBYOだけだ。1800人の乳がん体験に、今すぐ即座にアクセスすることができる。これはGoogleなど従来の検索エンジンでは実現できないことだ。乳がんのみならず、他の疾患においても、TOBYOはすでに国内最大の闘病サイト件数を収録している。サイト総収録件数は2万5千件に近づいているが、ようやくTOBYOは闘病者のニーズに十分に応えられる量的規模に達してきたと考えている。

また1800人の乳がん闘病サイトの中から、年齢層、サイト開設年次で絞り込み、さらに治療方法、現住地、薬剤などタグで細かくフィルタリングすることによって、自分と同じような体験者の記録を簡単に見つけることができる。TOBYOが実装している機能は非常にシンプルだが、データ量が十分に確保されるにつれ、そのシンプルさが活きてくる。 続きを読む

TOBYO in San Francisco

サンフランシスコ・ヒルトンで開催されたHealth2.0_SF_2010の二日目(10月8日)、午後のセッション”Health 2.0 Tools Around the World”で、TOBYOとDFCのプレゼンテーションをメディカル・インサイトの鈴木さんにお願いした。このセッションには日本からTOBYOとMedPeer、インドから2社、イタリアから1社が参加した。鈴木さんのすばらしいプレゼンテーションによって、TOBYOとDFCは世界に登場することができた。とにかく、早くDFCアルファ版を完成させなければならない。10月中の完成をめざしている。

なおこのビデオは、MedPeerさんのご好意によって提供していただいたもの。MedPeerの皆さん、ありがとうございます。

三宅 啓  INITIATIVE INC.