過去への誘惑

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RevolutionHealthが苦戦している。一昨日(8月4日)のTechCrunchは次のように報じている。

Revolution Healthはいろいろトラブルを抱えているという噂で、レイオフを繰り返していることが報道されている。またMorgan Stanleyを雇って買収してくれる相手を探しているとも伝えられる。トラフィックもピーク時の月間400万近くから先月は160万へと急降下した。

さらに、女性向け広告ネットワークであるGlamMediaがRevolutionHealthの買収に乗り出しているとの噂もあるようだ。RevolutionHealthはAOL創始者のスティーブ・ケース氏をCEOとし、元ネットスケープ社のジム・バークスデール氏、HPの元CEOのカーリー・フィオリーナ氏、元国務長官コリン・パウエル氏など、超豪華メンバーの経営陣や、初期投資総額500億円などで話題になった。従来のWebMDの独占を崩す医療ポータルとして、期待は大きかったのだが、どうやら失速感がはっきりしてきているようだ。 続きを読む

暑中雑感

暑中お見舞い申し上げます。

あまりの暑さに、久しぶりに休暇をとって身体を休めた。わざわざ外出する元気も出ないので、自宅で読書、音楽、酒。音楽はジャズ、サンバ・カンソンからラヴェルまで手当たり次第聞きまくり、しっかりエネルギーを充填した。

先月、高校時代の親友を肺がんで亡くした。また、親戚から従妹が摂食障害との連絡があり、早急に良い治療機関を探さなければならない。このところ、近しい者の死や病に直面する機会が増えている。そのたびに、TOBYOがまだカバーできていないサービス領域の存在を、まるで指弾されているかのような気分になる。はたして遠くへ旅立った親友は、TOBYOを利用してくれていただろうか?。 続きを読む

リテールクリニック+遠隔医療=Wal-Mart

UTMB

最近、米国で急成長しているリテールクリニック(看護師によって運営されるクリニック)だが、ショッピングセンター立地で低料金、しかも24時間365日営業が消費者に支持されている。ウォルマートは、先日、新タイプのリテールクリニック「Walk-In Telemedicine Health Care」をヒューストンから展開すると発表した。

この新タイプのリテールクリニックは、看護師の代わりに救急救命士を配置し、センターで待機する医師との間を遠隔医療機器と遠隔医療プログラムで結び、消費者に医療サービスを提供する。遠隔医療プログラムはUTMB(テキサス大学医学部ガルベストン校)が開発したもので、10年前に開発されてから世界的に評価の高いプログラム。 続きを読む

Everywhere TOBYO

連日の猛暑。この暑さのせいか、事務所のPCハードディスクもダウンしてしまった。気をつけないと人間もまいってしまう。目下、TOBYOの諸作業のためにハードワークを続けているが、そろそろ一息入れなければならないのかもしれない。

TOBYOの進行状況を報告しておきたい。現在、ベータ版を公開しているのだが、これはまだ、検索機能限定版である。TOBYOレファレンスにおいてある「TOBYO事典」は、「がん、良性腫瘍」だけを検索対象に限定してテスト運用している状態である。これを近日中に全病名検索可能にする。同時に検索窓をトップページに置くことになる。これらを実現した段階で、TOBYOは名実ともに正式デビューすることになると考えている。また、病名ごとの表示方法を変更することも考えている。

TOBYOの基本三機能「闘病記を探す、闘病情報を調べる、自分の闘病情報を整理する」のうち、現状、ユーザーに最もわかりやすいのは、言うまでもなく「闘病記を探す」機能である。実は多数の闘病記を串刺し検索できる「TOBYO事典」がTOBYOの最もユニークな機能なのだが、この検索機能を使ってユーザーに何が可能になるかを、もう少し丁寧に説明しなければならない。それと「自分の闘病情報を整理する」機能についても、現状は説明材料が不備なために理解が十分ではない。 続きを読む

新知識共有ツールとTOBYO

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Googleは23日、昨年末からテストしていた「KNOL」を正式リリースした。このブログでも概要は紹介済みだが、手短に要約すると「このKnolは特定分野の専門知識を持つプロフェッショナルに、特定テーマの知識・情報を公開発表するためのツールを提供するものである。」となる。発表されて以来、KNOLはWikipediaと競合するツールとして論じられてきたのであるが、正式リリース版をあらためて見ると、意識的にWikipediaとは違う知識共有ツールを目指していることがわかる。

特に、KNOLでは一つのテーマについて複数の書き手の複数のエントリを認めているが、この点は、Wikipediaとまったく異なった知識共有のあり方を示していると言えよう。「A unit of knowledge」というフレーズが語るように、個人が持っている専門的知識をウェブにコントリビュートする「知識単位」という位置づけであり、今のところそれらを無理に束ねて百科事典化するようなそぶりはないのである。もちろんこれら「知識単位」をカテゴライズして配列すれば、たちどころにWikipediaのような百科事典になるのだが。 続きを読む