TOBYOの闘病サイト収録数9000へ

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暑い夏をのりきっていささか疲れ気味だが、今日になって「闘病者の新しい情報共有ツール=TOBYO」は、収録病名数534、収録闘病サイト数9000に達した。収録サイト数の病名別分布を眺めると、やはり全体としてロングテール状になっており、ヘッド部分の高さとテール部分の長さがますます伸張してきている。それに対して中央部のボディーだが、これはヘッドとテールの伸長に比べると増加分は少ない。ここが今後の課題となるだろう。

先日のエントリでも触れたように、TOBYOの当面の目標収録サイト数は1万で、これが達成された時点で「量から質へ」とサービス拡充の焦点を移動させていくことになる。だがもちろん、テール部分やボディ部分に位置する病名のサイト収録は、今後も継続していかなければならない。TOBYOというツールは、「一定の量的蓄積を、それに対応する質的なサービスへ変換する」というきわめてシンプルな考え方で作られている。だからわれわれは、「1万サイトという量的蓄積を、それに見合う質をもったサービスへ変換する」ということだけに当面は集中し、取り組むことになる。 続きを読む

TOBYO事典をパワーアップ

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昨日(8月27日)、闘病者(患者、家族、友人)の新しい情報共有ツール=TOBYOは、闘病サイト全文検索サービスである「TOBYO事典」をトップページに配置し、より一層、闘病情報をユーザーが簡単に検索できるようにレイアウトを修正した。「TOBYO事典」は、指定したサイトだけを検索対象とする「バーティカル検索エンジン」と呼ばれる検索サービスで、これによってユーザーは多数の闘病サイトを一度に横断検索でき、闘病者が実際に体験した事実をスピーディーに簡単に探し出すことができる。この「TOBYO事典」は、世界初の闘病体験に特化したバーティカル検索エンジンである。

と、ニュースリリース風に書き出してみたが、「TOBYO事典」をトップページに配置しなおし、「事典」がTOBYOのメイン機能であることを明確にした。ユーザーが求めているのは「物語としての闘病記」よりも、病院、医師、薬、治療方法など、実際に他の人が病気と闘うプロセスで体験した「事実」である。ユーザーのニーズは「物語を読みたい」というニーズであるよりも、むしろ「他の人が体験した事実を知りたい」というニーズである。実際に闘病生活に役立つのは「物語」ではなく、実践的な「体験された事実」である。 続きを読む

TOBYO、国立国会図書館Dnaviに公式登録される

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今日、国立国会図書館から当方へ連絡があり、TOBYODnavi(国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス)に登録されたとのこと。まったく予想外のことで驚き面食らったが、早速そのDnaviサイトを調べてみると次のような説明があった。

[Dnaviとは?]

インターネット上に存在する豊富なデータベースは、学術研究はもとより、 多方面にわたる調査に不可欠であり、質的にも量的にも重要な情報資源です。国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス(Dnavi)では、 これらのデータベースについて書誌情報(メタデータ)を作成し、当館ウェブサイトからリンクすることによって、ナビゲーション・サービスを実施します。

以上の説明に続いて、さらに「Deep Web」に関する以下のような解説が付されていた。

Deep web

ワールド・ワイド・ウェブ上には数十億のウェブページがあると言われていますが、実はこれはウェブ全体のごく一部に過ぎません。有用で貴重な情報資源の多くは表面的なウェブページではなく、データベース等の「深層」に格納されており、アクセスの都度、動的に生成されています。深層ウェブ(Deep Web)の大きさは、表層ウェブ(Surface Web)の大きさの約550倍、約9万1,850テラバイトにも及ぶ、との試算もあります(注2)。国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービスでは、これらの膨大な情報資源をより有効に活用できるよう、「Deep Web」の入り口まで、皆様をご案内します。

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秋へ向け動き始めるTOBYO

しばらくブログを休んでいた。この間、TOBYOの進路修正などをいくつか検討し、秋以降の展開を考えていた。「iza!」読者のみなさんには、TOBYOといってもまだ馴染みはないだろうが、TOBYOはウェブ上に闘病者が自発的に構築してきた「闘病ネットワーク圏」を可視化し、そこに蓄積されてきた闘病体験の共有をめざすプロジェクトである。「闘病ネットワーク圏の可視化」とは、「どこに、どんな闘病サイトがあるか」を明らかにすることであり、次に闘病ネットワーク圏の横断的検索機能を提供することによって、闘病者が実際に体験した事実と”Wisdom of Patients”の共有が可能となる。

「どこに、どんな闘病サイトがあるか」を明らかにするために、春先から闘病サイト情報収集活動に取り組んできたが、これはようやく当初目標の1万サイトに近づきつつある。日本語の闘病ネットワーク圏がどの程度の大きさであるかは不明だが、現時点の感触では、およそ2万-3万サイトの規模ではないかと推定される。ただ、今年に入って新規開設の闘病サイト数は、以前にもましてかなり大幅に増えているような気がする。もちろん閉鎖されるサイトもあるのだが、全体として日本語闘病ネットワーク圏が膨張を続けていることはまちがいない。 続きを読む

家系図から家族の健康リスクを知る新サービス「MyFamilyHealth」

MyFamilyHealth

昨年あたりから、海外では個人の遺伝子解析サービスが、Googleの資本参加で注目される「23andMe」社をはじめ一斉に立ち上がった。遺伝子データを使って将来の個人別疾患リスクを予測しようというものだが、料金も各社1000ドル程度にまで下げてきており、今後の有望医療市場と目されている。ところで同じく遺伝子に着目しながらも、「家系による遺伝」という点にフォーカスした新しいサービスがイギリスから登場した。

MyFamilyHealth はオンライン家系図サービスとSNSを合体させ、これまでにない個人医療情報サービスを立ち上げた。「家系図は最も重要な遺伝子診断になった。すべての家族は何らかの疾患を持っている。そのことをより良く知るためには、より多くのツールを使って予防医学を実践しなければならない。あなた自身とあなたの子供たちのために。」とトップページには掲出されているが、このサービスはまず家系図を作成し医学的な情報を加えて提出すると、その「医療家系図」を元に、ユーザーとその家族に存在する遺伝的リスクを分析評価してくれるのである。 続きを読む