昨日エントリで「二位三位連合」の追い上げに直面するWebMDの状況に触れたが、そう言えばWebMDは、大規模PHRであるあのDossiaコンソーシアムと提携を結んでいることを思い出した。Dossiaについてはこれまで何回も取り上げてきたが、Intel、ATT、Wal-Martをはじめ巨大企業が共同出資して立ち上げたPHRコンソーシアムである。これまでいろいろ紆余曲折を経てきたが、いよいよ本格稼働することが先月末にアナウンスされた。 続きを読む
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競争激化する米国医療ポータル市場
10月3日付けNewYorkTimes で、スティーブ・ケース率いるRevolutionHealthが同じ医療ポータルサイトのEverydayHealthに吸収合併されたことが報じられた。夏以来、身売り話があちこちで囁かれていたRevolutionHealthだが、結局、医療ポータル分野における「二位、三位連合の誕生」という形に決着した。
吸収合併ということで、EverydayHealthを運営するWaterfront Media社がRevolutionHealth側のウェブサイトをはじめすべての資産を引受け、経営のリーダシップを握ることになる。合併にともなうRevolutionHealthの評価額はおよそ1億ドル。ちなみにサイト開発時の投資総額はおよそ5億ドルであった。 続きを読む
エスター・ダイソンとHealth2.0
先日、OrganizedWisdomのCEOユニティ・ストークスがエスター・ダイソンにインタビューしているエントリがOrganizedWisdomBlogにポストされたが、これは興味深いものであった。言うまでもなくエスター・ダイソンは米国IT業界きってのビジョナリーであるが、Health2.0ムーブメントとの関係も深く、昨年のHealth2.0コンファレンスでは掉尾を飾る講演をしている。のみならず、PatientsLikeMe、23andMe、Medstory、そして最近ではOrganizedWisdomにも出資し各社の経営ボードメンバーとなっている。 続きを読む
消費者の医療参加を促進するTOBYO
日に日に涼しくなり、早くも9月が終わる。そして10月には、われわれのTOBYOの収録闘病サイト数がやっと1万件に到達する。これもひとつの通過点に過ぎないが、これでようやく、ある程度まとまった闘病情報の量的確保ができたことになる。
まずは、この1万件の闘病サイトのバーティカル全文検索サービスを10月中に公開したい。夏前から検索テスト運用をおこなってきたのだが、リソースの限界をはじめいろいろと問題があり、全面公開するまでに予想外の時間を要した。細かなことを言うときりがないが、いくつか新しい試みを採用することで局面を乗り切るめどが立った。 続きを読む
歴史は二度繰り返すのか?
先月も取り上げたが、この間ナンバーワン医療ポータルをめざしてきたRevolutionHealth社の失敗がますます明白になってきている。同社CEOスティーブ・ケース氏はどうやら本気で企業売却に乗り出しているようで、すでに従業員の大規模なレイオフが始っている。しかし、昨年春にサイトオープンして以来、わずか1年半のことであり、その「あまりにも短すぎる挑戦」をめぐって議論が起きている。
まず、ドットコムバブル時代のDrkoop社など「先例」との類似を指摘する声も多いが、やはり「打倒WebMD」をあまりにも急ぎすぎ、無理な企業買収の頻発などが結果的に足を引っ張ったとの見方が一般的であるようだ。スティーブ・ケース氏にはそれなりの目算もあったのだろうが、それにしても10年かけて首位医療ポータルの座を築いてきたWebMDに対し、ゼロから短期勝負で簡単に抜き去ることができるという考え方自体が、あまりにも医療情報サービスというものをなめすぎていたのではなかったか。 続きを読む