TOBYOの中心的な機能である「TOBYO事典」。これは闘病ネットワーク圏に大量に蓄積された闘病ドキュメントを全文検索し、闘病体験、闘病集合知を隅々まで可視化するツールとして構想された。五月のTOBYOベータ版公開以来テスト運用を続けてきたが、ようやくTOBYOの全収録闘病サイトの全ページを検索対象としてフル稼働することになる。 続きを読む
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GoogleとDossiaがContinuaに加盟
大規模PHRの主導権をめぐる熾烈な競争が、Google Health、マイクロソフトのHealth Vault、IntelなどDossiaコンソーシアムの三者で繰り広げられているが、21日、GoogleとDossiaコンソーシアムがContinua Health Allianceに加盟することが発表された。Continua は、家庭医療機器、遠隔医療システムからPHRまで、パーソナルヘルス分野の情報システムの総合的な相互接続を推進する企業連合体である。
ContinuaのPRビデオを見ると、家庭と医療者や健康関連施設をネットワークで結ぶ様々な健康サービスが構想されているのがわかる。これらの新しい健康サービス群の共通インフラとして、個人医療情報を集約するPHRが非常に重要になるはずだが、GoogleやDossiaはそこを睨んだ上でアライアンスに参加したのだろう。 続きを読む
コミュニケーションの問題
国立国語研究所が、難解な医療用語の言い換え例をまとめ発表した。取り上げた57の医療用語を3グループ化し、それぞれ患者にわかりやすい言い方を示している。たとえば「予後」が「病状の見通し」、「浸潤」が「がんの広がり」というぐあいである。
患者の医療参加を進めていく上で、このような「言語の壁」はどんどん崩してもらいたい。特に問題は病名なのではないか。病名は固有名詞だから言い換えはむつかしいだろうが、表記の簡素化はできるはずだ。難解な漢字を並べた病名表記が多く、その読み方さえ分からない場合がある。また、「子宮頚がん」と「子宮頸がん」のように、同じ病名なのに表記が違う例も多く見受けられる。また医療機関や医療者によって病名が微妙に違う場合もある。さらに医療界だけの独特の読み方もある。闘病記を読むと、これらによって患者側に混乱が起きている場面にぶつかることがある。なんとか病名の表記と読み方の統一を、早急に実現してもらいたいものだ。 続きを読む
ブログ論壇に入れてもらった
佐々木俊尚さんが新著「ブログ論壇の誕生」の特別付録として、文藝春秋サイトで「佐々木俊尚が選んだ著名ブロガーリスト」を公開している。なんとなく見ていると、なんとこの「TOBYO開発ブログ」がリストの中に入っているではないか。光栄である。しかし、いや、驚いた。
だが、錚々たるブロガーが名を連ねるリストの中で、このブログはいかにも非力な新参者。医療とウェブをネタに、好き勝手にワーワーと、言いたい放題、書き散らかしてきただけである。たしかに米国と比べると、日本では医療とウェブを取り上げたブログは極端に少ない。Health2.0やPHRなど、新しい動きを論じるブログもあまり目にしたことがない。その意味で、少しは稀少価値があるのかもしれない。
ブログのみならず、日本の医療界自身とその周辺は無関心を決め込んで、今、世界の医療で起こっている新しい動きを知り論じる気配さえない。きわめて内向的になっているように感じられる。それが不満で書いているようなものだが、実は意外にも様々な方々から反応を頂戴している。当方元来、根がへそ曲がりときているが、ここは素直に感謝しておかなければならない。
三宅 啓 INITIATIVE INC.
全欧州の医療情報共有をめざすepSOS
ヨーロッパ各国の医療情報システムを相互運用する広域実験プロジェクトが開始される。このプロジェクトはepSOS(European Patient Smart Open Services)と名付けられ、欧州委員会の支援のもとにEU加盟12カ国が参加を表明している。これら各国はそれぞれ自国の国民医療情報システムを持っているが、今回の実験プロジェクトは各国システムを相互に接続し、EU市民がEU域内のどこにいても、自分の医療情報を利用できる環境を提供することをめざしている。背景には、近年、国境を越えた市民の域内移動が活発化しており、これに対応する医療情報システムが必要になっている事情がある。 続きを読む