大規模PHRの主導権をめぐる熾烈な競争が、Google Health、マイクロソフトのHealth Vault、IntelなどDossiaコンソーシアムの三者で繰り広げられているが、21日、GoogleとDossiaコンソーシアムがContinua Health Allianceに加盟することが発表された。Continua は、家庭医療機器、遠隔医療システムからPHRまで、パーソナルヘルス分野の情報システムの総合的な相互接続を推進する企業連合体である。
ContinuaのPRビデオを見ると、家庭と医療者や健康関連施設をネットワークで結ぶ様々な健康サービスが構想されているのがわかる。これらの新しい健康サービス群の共通インフラとして、個人医療情報を集約するPHRが非常に重要になるはずだが、GoogleやDossiaはそこを睨んだ上でアライアンスに参加したのだろう。
また、「PHRを軸とする健康サービス市場の開発」というビジョンを最初に打ち出したのはマイクロソフト社のHealth Vaultであったが、GoogleとDossiaはContinuaを通じて世界の有力企業と連合を構築していく道を選択したようだ。果たして家庭を中心とするパーソナルヘルス分野のエコシステムとして、Continuaが充分に機能していくかどうかは不透明だが、この参加メンバーを見ると、確かに巨大な影響力を持っていることはわかる。日本からはパナソニック、シャープ、オムロンが参加している。
さらに興味深いのは、これで将来、Google HealthとDossiaが相互接続する可能性が出てきたことである。
三宅 啓 INITIATIVE INC.