Microsoftの個人健康管理ツール”My Health Info”登場

 MyHealthInfo

今月1日から、Microsoft社は「MSN Health & Fitness」  に新しい個人健康管理サービス「My Health Info」ベータ版を公開した。このサービスは個人医療情報管理のためのツール群をウィジェットとして提供するもので、ユーザーは自分のページに好きなウィジェットを自由に配置して使用できる。現在、次のようなウィジェットが提供されている。

  • 健康データ管理:
    BMIトラッカー、血圧トラッカー、血糖値トラッカー、検査ラボデータ、心拍数トラッカー、歩数トラッカー
  • 個人医療情報管理:
    病歴、薬歴、予防接種、アレルギー
  • 健康ニュース:
    医学論文、高血圧ニュース、糖尿病ニュース
  • その他:
    高血圧FAQ、糖尿病レシピ、HealthVaultアプリ

この個人健康管理サービス「My Health Info」の特徴は、ツールをウィジェット化しユーザーの必要に応じてカスタマイズできる点と、MicrosoftのPHRプラットフォームであるHealth Vaultと連携している点である。これでHealth Vaultにある自分の医療情報を、ユーザーは自由に活用できるようになるわけだ。 続きを読む

医療改革プレゼンテーション

このブログでも何度も使用しているプレゼンテーション・スライド共有サイト「SlideShare 」だが、このたび第三回「世界ベスト・プレゼンテーション・コンテスト」を開催した。世界130カ国から応募された3,750点の中から、グランプリに選ばれたのは「Healthcare Napkins All」という作品。これは米国医療改革をテーマとしたプレゼンテーションである。

ホワイトボードと紙ナプキンにサインペンで手書した図表を撮影するという、なんともシンプルでローテクな手法だが、無駄のない説得力あるプレゼンテーションに仕上がっている。この作者Dan Roam氏は「紙ナプキン・ライター」として有名であるらしく、「ナプキンの裏:図表による問題解決とアイデア売り込み」と題したベストセラー本まで出している。またMicrosoft、WalMart、米国上院議会等の指導者に、複雑な問題を「視覚思考」で解決する指南役をしているとのこと。 続きを読む

参加型医学(Participatory Medicine)

e-Patients

昨年あたりから「参加型医学」(Participatory Medicine)という言葉が散見されるようになったが、今年になって米国で参加型医学協会が設立され、来月10月21日からオンライン・ジャーナル「Journal of Participatory Medicine」が刊行される。これはオープンソースの「Open Journal Systems」で編集された電子ジャーナルで、「医学文化をもっと参加型のものに変える」ことをミッションとして、かなり学術的な観点から「患者の医療参加」を研究発表する場として機能するようだ。

この参加型医学協会の母体となったのは「e-Patients.net」 http://e-patients.net/ だが、この団体は以前からそのユニークな活動で知られており、最近はHealth2.0コミュニティとも連携しはじめている。そのせいか、「Journal of Participatory Medicine」のアドバイザリーボードにはアダム・ボスワース、エスター・ダイソン、デヴィッド・キッベなど、Health2.0コミュニティの主要メンバーが名を連ねている。

ところで「e-Patients.net」で以前公開された「e-Patients白書」では、次のような「患者駆動医療:七つの仮説」が掲げられている。これは「参加型医学」の基本原理ともいえるものだが、なかなかに興味深い。 続きを読む

製薬会社がTwitterを広報に活用:ベーリンガーインゲルハイム

今年になってTwitterが医療機関で広く利用されるようになったが、製薬会社では広報など企業コミュニケーション活動ツールとしてTwitterを活用するケースが増えてきているようだ。中でも、一番熱心にTwitterに取り組んでいるのがベーリンガーインゲルハイム社。同社広報担当John Pugh氏が、非常にわかりやすいプレゼンスライドを公開したのでご紹介しておきたい。

日本ではまだ企業広報にTwitterを活用する例は少ないようだが、今後、まちがいなく増えていくだろう。製薬企業にとっては、特にスピードが要求される情報配信、たとえば薬品情報アップデートなどに威力を発揮するものと思われる。

三宅 啓 INITIATIVE INC.

米国EMR導入の現状: CBS”Sunday Morning”より


Watch CBS Videos Online
9月13日のCBS”Sunday Morning”がEMR導入をめぐる米国における諸問題を取り上げている。これは”Charting a New Course”と題するニュースレポートで、現在オバマ政権が進めようとしている医療IT化政策が直面する問題を、非常に手際よくまとめている。

だが、このレポートでは肝心なところが抜け落ちている。これまで医療IT化が遅々として進まなかった原因は、医療現場や予算や「プライバシー&セキュリティ」問題だけではない。この春からの「CCHIT認証問題」や「EHR1.0批判」などで明らかになったように、旧来の医療ITベンダが提供してきた「過剰装備でコスト高の”完全無欠システム”」の問題が大きい。

●記事: “Charting a New Course” 

三宅 啓  INITIATIVE INC.