今月1日から、Microsoft社は「MSN Health & Fitness」 に新しい個人健康管理サービス「My Health Info」ベータ版を公開した。このサービスは個人医療情報管理のためのツール群をウィジェットとして提供するもので、ユーザーは自分のページに好きなウィジェットを自由に配置して使用できる。現在、次のようなウィジェットが提供されている。
- 健康データ管理:
BMIトラッカー、血圧トラッカー、血糖値トラッカー、検査ラボデータ、心拍数トラッカー、歩数トラッカー - 個人医療情報管理:
病歴、薬歴、予防接種、アレルギー - 健康ニュース:
医学論文、高血圧ニュース、糖尿病ニュース - その他:
高血圧FAQ、糖尿病レシピ、HealthVaultアプリ
この個人健康管理サービス「My Health Info」の特徴は、ツールをウィジェット化しユーザーの必要に応じてカスタマイズできる点と、MicrosoftのPHRプラットフォームであるHealth Vaultと連携している点である。これでHealth Vaultにある自分の医療情報を、ユーザーは自由に活用できるようになるわけだ。
Health Vaultはサードパーティーが医療情報サービスを開発するプラットフォームとして構想されているのだが、複数企業のサービスやアプリがばらばらに提供されるため、ユーザーがワンストップで個人健康情報を管理する場所が求められていた。その意味で今回の「My Health Info」登場は、個人ユーザーのHealth Vault利用メリットを高めるものである。
まだ数は少ないが、今後サードパーティーからさまざまな健康管理ウィジェットが公開されると思われる。PHRは、各医療機関や検査機関に散在していた個人医療情報を一か所に集約保存するわけだが、問題はこれら集めた個人医療情報をいかに活用するかであり、ここに新しい医療情報サービス開発の大きな機会があると考えられている。疾患特化型サービスは当然必要なのだが、この「My Health Info」のように、サービスを個別パーツ化しユーザーの選択に任せるというスタイルは合理的だ。
三宅 啓 INITIATIVE INC.