相当怪しい「医療2.0論」

海外ではHealth2.0に代表される新しいムーブメントが医療の分野で起動しつつあるが、日本ではそのような動きは今のところない。Health2.0関連の日本語の情報自体がまだ圧倒的に少ない。そんな中で、偶然、薬事日報ウェブサイトで「医療2.0≪医療とWEB2.0≫」という連載コラムが始まることを知り、期待して読んでみたが・・・・・。

師曰く、「期待は失望の母である」。 続きを読む

マイクロソフトから本格的PHRローンチ:Microsoft HealthVault

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10月4日付けニューヨークタイムズ紙は、マイクロソフトがPHR“Microsoft HealthVault”を同日リリースすると報じている。

今年に入って、米国では次世代医療ITシステムの鍵を握るのはPHRであるというコンセンサスが次第に形成されつつある。従来はEHRなど医療業務システムが次世代医療ITシステムの中核だとされてきたが、これらは所詮「業務システム」であり、直接消費者が自分の健康を管理するために使用するPHRのほうが、医療全体における価値が高いと考えられるようになってきたのである。この背景には、高騰をきわめる米国医療費を、生活者自身がPHRで健康管理をすることによってコストダウンしていこうという考えがある。 続きを読む

確かな医療情報をみんなで協力して集める:「WEGOHealth」

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医療情報の検索は依然として大きなテーマである。毎日たくさんの人々が医療情報を求めてウェブにやって来るが、現状の検索エンジンがそれらのニーズを十分に充たしているとは言いがたい。そこには未解決な問題が山積しており、またそれらに対し実にさまざまなアイデアが登場している。 続きを読む

コミュニティの治癒力:「ソフィアズ・ガーデン」

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Health2.0コンファレンスで多数紹介されたニューサービスの中で、ひときわ注目を集めた患者SNSが「ソフィアズ・ガーデン」であった。実はまだこのSNSは稼働していない。コンファレンスではプロトタイプは紹介されたようだが、このSNSが注目されているのはその「Healing in Community」というコンセプトにあるようだ。

2002年3月15日、このサイトの共同創立者であるリチャード・ハッチ氏とカレン・ヘルツォーク氏夫婦は、生後10か月の娘ソフィアが余命三年と宣告された。ソフィアはニーマンピック病という不治の遺伝性疾患にかかっていたのだ。 続きを読む

Health2.0の爆発とGoogleHealthの蹉跌

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その後もHealth2.0コンファレンスのインパクトを受けて、多数の次世代医療をめぐる論考がブロゴスフィアを賑わせている。昨年から徐々に下地は準備されていたのだろうが、コンファレンスでそれは臨界点に達したかのようである。まさに一つの待ち望まれたムーブメントがようやく姿を現し、常に「ステイタス・クォ」へと傾斜し続けてきた医療業界の「常識」や「医療観」を揺さぶり、巨大な社会的イナーシャを獲得しながら前進している。 続きを読む