闘病バーティカル検索ツール「TOBYO事典」、まもなく本格稼働

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TOBYOの中心的な機能である「TOBYO事典」。これは闘病ネットワーク圏に大量に蓄積された闘病ドキュメントを全文検索し、闘病体験、闘病集合知を隅々まで可視化するツールとして構想された。五月のTOBYOベータ版公開以来テスト運用を続けてきたが、ようやくTOBYOの全収録闘病サイトの全ページを検索対象としてフル稼働することになる。 続きを読む

Health2.0の次は?

先週、サンフランシスコで開催されたHealth2.0コンファレンスに関するエントリやニュースが上がり始めている。ざっと目を通している最中だが、このムーブメントが昨年より確実にスケールアップしていることが感じられる。ウェルネス2.0、医療ゲーム、遺伝子解析など、今年のコンファレンスではHealth2.0が新たな市場を加え、拡張している様子が報告されている。そして早くも来年ボストンで、春季コンファレンスが開かれることが発表された。 続きを読む

医療者向け情報ツール市場

20日付けのWall Street Journalで「変化のための処方箋」という医療IT分野の記事が掲載された。書いたのはアリゾナ州立大学のAMAR GUPTA教授だが、今後、情報技術が医療におよぼす変化について優れた洞察を提示している。この記事の冒頭、次のように語られている。「病院やその他の医療機関は長い間、医療機器、処置、治療などにおけるブレークスルー技術は素早く採用してきたが、ネットワークとコミュニケーションにおける技術革新にはきわめて乏しい注意しか払ってこなかった」。 続きを読む

「いったい現実を把握している者はいるだろうか?」

まったくの偶然であるが、「『患者体験』を映像と音声で伝える:「健康と病いの語り」データベース(DIPEx)の理念と実践」と題するDIPEx関係者による「論文」があることをはじめて知った。(「情報管理」2008,Vol.51 No.5 JST)

この「論文」中に、現在準備が進められている「健康と病いの体験のデータベース」DIPExと対比的にTOBYOのことが言及されている。「『TOBYO』(http://www.tobyo.jp)は、約4,000の闘病ブログが登録されているポータルサイトで,病名のほか,治療法や患者の性別や年齢などの条件でブログを抽出できる検索機能がついている。」(p308)と紹介してくれている。まず、「ポータルサイト」などと一度も言った覚えはないのだが、とにかくどのように誤解する自由もあることは認める。だが「ポータル」など、一体いつの時代のことなのか?
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Health2.0コンファレンス、来週開催。


来週、22日、23日の両日、サンフランシスコで第二回Health2.0コンファレンスが開催される。昨年9月の第一回コンファレンスからこの1年間を振り返ると、Health Vault、Google Health、Dossiaの三大PHRが姿を現したことをはじめ、最近のRevolutionHealthの挫折に至るまで、特筆すべきいくつかの大きな動きがあった。また、多数のスタートアップ企業は、世界中で様々な新しいサービスをリーリースした。だが、まだこれらはほんの序曲に過ぎないはずだ。大規模PHRにせよ、本格的に消費者が参加するところまでには至っていない。

それでもSermoやPatientsLikeMeなどが、ビジネスとして一定の成果を上げ始めているのは心強い。この両者は顧客は違うのだが共通する点も多く、事業開発の先行事例として参考になるはずだ。彼らのビジネスモデルとその成功要因を学ぶことによって、市場のアーリーステージにおける事業化の指針を得ることができるだろう。そのように考えて、いろいろと分析を試みたりもしている。そして、その結論はきわめてシンプルなものである。

ともあれ、今年のコンファレンスでどのような問題が提起されるかに注目したい。
(ビデオはサンディエゴで開催された春季コンファレンスのもの)

三宅 啓  INITIATIVE INC.